映画「風立ちぬ」と宮崎駿監督。融合する2つの昭和、そしてこれから

小説・エッセイ

公開日:2013/8/25

半藤一利と宮崎駿の腰ぬけ愛国談義

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : 文藝春秋
ジャンル: 購入元:BookLive!
著者名:半藤一利 価格:607円

※最新の価格はストアでご確認ください。

みなさん、お早うございますコンニチハ今晩は。『風立ちぬ』はまだ観ていない中國卓郎です。
本書は題名に「談義」とある通り対談集であります。今年72歳(2013年現在)の宮崎監督と今回対談をした半藤さんはなんと御年83歳! 年齢を合計したら155歳ですよ! イヤイヤしかし、これがもうビックリする位に御二方とも若々しいのです。

advertisement

ところでワタクシ、半ズボンを一年中履いていた幼少期に劇場版『風の谷のナウシカ』を観て以降、熱心な宮崎駿監督のファン…いやもはや信者の様な心持ちなもんで、そりゃもう今まで数多くの宮崎監督のインタビュー記事や対談を読んで参りました。が、年上の方との対談ってほぼ記憶にございません。お相手の半藤一利さんは元・文藝春秋編集長にして夏目漱石や旧日本軍の軍艦などに造詣が深く、御二人が興味を持たれている対象が非常に似ているので終始会話は弾みっぱなしです(笑)軍艦や漱石についてもっと知りたい宮崎監督と零戦やアニメ制作について知りたい半藤さんが、その時々で臨機応変に聴き手と解説を交代しながら対談は進んでいきます。

また、半藤さんが『風立ちぬ』を観る前と観た後の2日に分けて対談が繰り広げられている所も非常に面白いです。初対面の初っ端から意気投合していた御二方に新たに『風立ちぬ』という共通項が加わる事により2人が生きて見た太平洋戦争が、昭和が、そしてこの国の「これから」への想いが語られます。

『風立ちぬ』を観る前に読めば劇場でニヤリとできる数々の裏設定が、また観た後に読めば宮崎監督が作品に込めた真の想いがきっと伝わるはずです。そんな中、ワタクシが個人的&職業的に最もテンションが上がったのが…とある方からあるエピソードを聞いた半藤さんはそれ以来「やっぱり声優ってプロなんだ! と思いましたが、そうでもないんでしょうか?」と宮崎監督に対して非常にシンプルでピュアな質問を投げかけられた所です。その問いに対する監督の答えってのは…個人的にはとても解りやすいものでしたハイ。詳しくはぜひとも本書を読んでいただければ! と、こう思う次第であります。


「愛国談義」となにやら力強そうですが…その実態はとても穏やかです

なんと半藤さん、生前の忠犬ハチ公の頭を撫でた事があるそうです!

どうにかして「草枕」を宮崎監督にアニメ化させたい半藤さん(笑)

『風立ちぬ』と『となりのトトロ』には共通した日本の原風景が
(C)半藤一利、宮崎駿/文藝春秋