「気持ち以外は君のもの」な、泥沼系の恋愛コミック

コミック

2013/9/10

クズの本懐1巻

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : スクウェア・エニックス
ジャンル:コミック 購入元:BookLive!
著者名:横槍メンゴ 価格:607円

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横槍メンゴさんの、『君は淫らな僕の女王(原作:岡本倫)』と同時期の作品、『クズの本懐』です。話としては、昼ドロ系です。平日の真っ昼間にやっている、どろっとした人間関係を描くドラマみたいなものを想像していただければ、まあそれほど遠くないですよ。

同じ作家の同時期の作品ということで、どうしても『君は淫らな僕の女王』と比べてしまうのですが、原作ありの『君は~』が読者の欲望にストレートな、輪郭のはっきりした話なのに対して、『クズの本懐』の方は「高校生のリア充っぽい男女が、実はそれぞれ別な人を好きだということを互いに確認した上で、想いが届かない人の身代わりとしてつきあっている」という救われない構図に堕ちていく様を描いています。全編にわたって、やりきれない空気が漂っていて、吉田基已さんの『水と銀』を初めて読んだときのことを思い出しました。

冒頭と、終わりで構図に変化がない。動きがない。それなのに、きっちり読ませる作品になっているんですね。コミックなので、当然のことながら絵で物語を展開するのですが、これは文芸でやってもいいような作品なのかもしれないな、と感じました。一癖も二癖もある人間関係の設定を、嫌みがなく整ったキャラクター、そして高い画力。そういう説得力を武器にして描ききったんだな、と思いましたよ。『弱虫ペダル』なんかが、魅力的なストーリーで読者をぐいぐい引っ張るのに対して、こちらは2人の行き場のない気持ちを、うまい演出で染み渡るように伝えていく作品でした。


超絶に美しいカラーページより

外向きは、理想のカップルを演じているわけですが…

相手が好きでつきあっているわけじゃない

互いに、本当に好きな人が別にいることを知っている