主人公は美少女ゾンビ! ゾンビ視点でゾンビが持つ価値観を知る

ライトノベル

公開日:2013/9/20

あるゾンビ少女の災難I

ハード : PC/iPhone/iPad 発売元 : KADOKAWA
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:電子文庫パブリ
著者名:池端亮 価格:540円

※最新の価格はストアでご確認ください。

新しい価値観を得るために、人は学ぶといいますが。読書を通じて学び、価値観が広がって、これまで見えなかったものが見えた、という経験もあるかと思います。
開眼! 本作で得られるのは、ゾンビ視点とゾンビが持つ価値観という、あなたにとって新しい財産です。

advertisement

さて、本作のゾンビ視点とゾンビが持つ価値観とは、なんぞや。ゾンビが登場人物だったり主人公だったりの作品は人気で、もう珍しくなくなってきた感があります。主人公は、美少女ゾンビのユーフロジーヌ。

本作はギャグタッチの正当なライトノベルであり、当然、萌え要素があったり、笑い要素があったり、バトルやジ~ンな場面があったりするわけですが、ここまでスプラッターなゾンビものもなかったでしょう。そう、惨殺とグロシーンが、生き生きと描かれています。だって、主人公がゾンビですから。状態としては死んでいますから。命に対する価値観、つまり重みが生者とは異なる。自らの臓物がおなかから出ていたって、まあ縫合すればいいだけですし、“盗まれたモノ”を取り戻すためには、窃盗をはたらいた大学生たち全員を抹殺するのだって、いとわないわけです。

ちなみに、スプラッターだからといって、そこに恐怖や凄惨さが溢れている、というわけではありません。なぜなら、くどいようですが、ゾンビ視点だから。死は特別なものではありません。

本を開くと、そこに新しい世界が。ゾンビものとして新境地を開拓した本作は、すでに映画が公開。

映画「フジミ姫~あるゾンビ少女の災難~」公式サイト

ちなみに、天然お嬢様のユーフロジーヌを献身的に支えるメイドのアルマ・Vもかわいいです。日本の大学構内で100年の眠りから目覚めた2人(2ゾンビ)の、世にも珍しいギャグでハードな立回りを見逃しては、もったいない。


ユーフロジーヌのシュールな目覚め

永い休眠のせいで、筋肉が強ばり、関節の動きが硬いが、動くのに不自由はない…という、少女にそぐわない表現が、また新しい

おなかの中身が、ない?