主人公は美少女ゾンビ! ゾンビ視点でゾンビが持つ価値観を知る
公開日:2013/9/20
新しい価値観を得るために、人は学ぶといいますが。読書を通じて学び、価値観が広がって、これまで見えなかったものが見えた、という経験もあるかと思います。
開眼! 本作で得られるのは、ゾンビ視点とゾンビが持つ価値観という、あなたにとって新しい財産です。
さて、本作のゾンビ視点とゾンビが持つ価値観とは、なんぞや。ゾンビが登場人物だったり主人公だったりの作品は人気で、もう珍しくなくなってきた感があります。主人公は、美少女ゾンビのユーフロジーヌ。
本作はギャグタッチの正当なライトノベルであり、当然、萌え要素があったり、笑い要素があったり、バトルやジ~ンな場面があったりするわけですが、ここまでスプラッターなゾンビものもなかったでしょう。そう、惨殺とグロシーンが、生き生きと描かれています。だって、主人公がゾンビですから。状態としては死んでいますから。命に対する価値観、つまり重みが生者とは異なる。自らの臓物がおなかから出ていたって、まあ縫合すればいいだけですし、“盗まれたモノ”を取り戻すためには、窃盗をはたらいた大学生たち全員を抹殺するのだって、いとわないわけです。
ちなみに、スプラッターだからといって、そこに恐怖や凄惨さが溢れている、というわけではありません。なぜなら、くどいようですが、ゾンビ視点だから。死は特別なものではありません。
本を開くと、そこに新しい世界が。ゾンビものとして新境地を開拓した本作は、すでに映画が公開。
ちなみに、天然お嬢様のユーフロジーヌを献身的に支えるメイドのアルマ・Vもかわいいです。日本の大学構内で100年の眠りから目覚めた2人(2ゾンビ)の、世にも珍しいギャグでハードな立回りを見逃しては、もったいない。
ユーフロジーヌのシュールな目覚め
永い休眠のせいで、筋肉が強ばり、関節の動きが硬いが、動くのに不自由はない…という、少女にそぐわない表現が、また新しい
おなかの中身が、ない?