女の意地とプライドの戦い! アナタはこんな勘違い女になってませんか?

小説・エッセイ

公開日:2013/9/22

潰したい女

ハード : iPhone/iPad/Android 発売元 : 主婦と生活社
ジャンル: 購入元:Kindleストア
著者名:ゴマブッ子 価格:※ストアでご確認ください

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Twitter経験者ならば誰でも目障りなのにフォローを外せないアカウントがあるだろう。そのアカウントは決まって痛々しいツイートばかり繰り返す。例えば、自分が如何にモテるかとか仕事をどれだけ頑張ってるのかを毎日ひけらかすOL。恋愛マスターのごとく独自の薄っぺらい恋愛哲学を披露したかと思えば、「死にたい」「辛い」などとつぶやくのだからそのギャップに驚かされてしまう。女の矜持と弱さを全てひけらかしているようでとことん不快。だが、何故か見ていて面白くなってしまう私は性格が悪いのか。心の何処かで冷笑しながらも、彼女を心配する自分もいる。自分にもそういう「痛々しさ」があることに気がついているからかもしれない。

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女心も男心も痛いほど分かる人気ゲイコラムニスト・ゴマブッ子著の『潰したい女』は、まさにそんな痛々しいOLが主人公だ。SNSに投稿された内容をイメージした著者渾身の本格サスペンス小説である本作は、女のプライドが作り出す心の闇を鋭く描き出している。

主人公は、有名大学を出て、一流企業で働く33歳・ハンドルネーム「勝ち女」。彼女はある日、SNSにあるコミュニティを立ち上げる。その名も「潰したい女がいます」コミュニティ。「勝ち女」にはどうしても人生を破滅させたい女がいた。仕事もでき、収入もあり、自分に足りないのは結婚して子どもを産むことだけ。そんな女がある日運命の恋に出会って…。彼女の恋の行方は? そして、彼女の「潰したい女」とは一体誰なのか?

この主人公は本当に恐ろしいくらい自惚れ屋だ。「自分はできる女」と酔いしれ、他を見下し、自分がモテないわけがないと信じている。自分に反論する者は全て敵。どうして現状を打開できないのか振り返ることをしない。

例えば、「勝ち女」は他のコミュニティに友人の誹謗中傷を書いた時、その2時間後に書き込みが削除されたことを、自分が素晴らしい書き込みをしたために管理人が嫉妬したからだと信じている。おまけに「全く教養がない野蛮人のすることは分からない」「心が狭い」とその管理人を否定するのだから呆れてしまう。自分が絶対に正しいという考えを捨てることができないのだ。

こんなにも嫌な女ではあるのに、共感してしまうのは何故だろう。誰でも心の隙間にこんな女を住まわせている気がしてならない。他に認められたいが、プライドが高く他の意見を受け入れることを恐れている。自分が嫌いだが、誰も自分を愛してくれないのだから、自分が自分を慰めるしかないのだ。

本書で繰り広げられるWEB上での嫌がらせの横行は、現代の問題を反映している気さえする。SNSは自己顕示欲を満たしてくれるが、そこには人と人の本当のつながりはあるのだろうか。反面教師としてこの女から学ぶことは大きい。最後の一行まで女達のプライドから目が離せない1冊。


舞台はFrenziという架空のSNSサイト

キャリアウーマンの主人公

そんな主人公が配達のお兄さんに心を奪われてしまう…

トピックが荒らされる毎日…一体犯人は? 「勝ち女」の潰したい女とは? 衝撃の結末に鳥肌が立つ事間違いなし