失われた標準世帯のお父さん奮戦記!
公開日:2013/10/7
この漫画『我が妻との闘争』は、原作者の呉エイジ氏がネット黎明期から、個人サイトで書き綴っていたエッセイをコミック化したものなんです。今でこそ、高いアクセス数を誇るコンテンツはプロアマ問わず書籍化されたりしますけど。まあ、そういうものの走りだったということで改めて取り上げたいなと思ったのと、結婚生活を題材にしたエッセイ仕立てのコンテンツって結構あるのですが、世代ごとに温度差があるので、団塊ジュニアのちょっと上ってこんな感じだったのだな、ということで紹介します。
構成は、マック大好きな夫(呉エイジ)と、まったくパソコンに興味のない妻(優)の家計を巡る闘いというか、夫婦げんかを読み切りで描いていくというもの。コミック化に際して、1話で2人の結婚当時の思い出が語られるのですが、作中のデータが正しければエイジ氏は当時25歳。県営住宅に住み(核家族というやつですね)、子どもを3人授かります。子どもは1人多いですけど、まあ標準世帯といっていいと思います。
これより時代を下っていくと、同じくネット発の『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』なんかがあるのですが、こちらが広いマンションに2人きりで住んで、部屋も別々で、なんとなく丁寧語でぽつぽつと話しているのに対して、エイジ氏の家庭はいつでも大騒動です。飾りっ気もなにもなく、面と向かって不平不満が年中爆発しています。地域による違いも当然あるでしょう。それに脚色が加わる過程で、時代ごとに味付けも変わるでしょう。
でもそれ以上に、それぞれの世代にとっての共感できる結婚生活像というものが示されているようで大変気になるのです。
幸せ絶頂だったということは、あとは下り坂というわけで…
マックを代引きで購入したことで、妻が鬼と化すのだった
妻の干渉は、買い物のみならずパソコンの使用時間にまで及ぶ!
反抗するとルールは悪い方へと改訂されるのだった
(C)金平守人、呉エイジ/角川書店