大学時代という「ゴールデンタイム」に彼女と出会い人生の絶頂期がやってきた

ライトノベル

公開日:2013/10/8

ゴールデンタイム1 春にしてブラックアウト

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
ジャンル:ライトノベル 購入元:BOOK☆WALKER
著者名:竹宮ゆゆこ 価格:557円

※最新の価格はストアでご確認ください。

「ゴールデンタイム」と聞くと、視聴率が高くなりやすい意の放送用語が浮かびますか? テレビでは19時から22時の3時間がゴールデンタイムですが、人間においては、さまざまな「ゴールデンタイム」がある、とされます。

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22時から深夜2時は、成長ホルモンが多く分泌されることから、「睡眠のゴールデンタイム」。発達の観点では、乳幼児期は脳がなんでも吸収しやすいというので、これを「右脳教育や英語教育のゴールデンタイム」として、効果をうたっている幼児教室などが目立ちます。また、小学3・4年生がピークとされる「ゴールデンエイジ」の時期は、勉強・運動とも劇的に伸びるということで、体操教室や学習塾などがこの時期から入ることをオススメしています。

では、視野をもっと広くして、「人生におけるゴールデンタイム」とは、いつでしょうか。人それぞれでしょうが、もしかしたら、ひとつに多感な青春時代が挙げられるかもしれません。さまざまな感情が渦巻く学生時代こそ、後で振り返ってみたら人生の絶頂期だった。まあ、そんなことは、喜んだり涙したりを繰り返している当の本人には、知る余裕はなかったりするのですが。

本作は、ちょっと奇妙な大学生活を送る男子学生・多田万里が主人公。東京の大学に進学した万里は、不安で心細い入学式当日の中で、スタイルや身につけているモノほか、すべてがカンペキな女子・加賀香子を見つけます。しかし、香子は、主人公の友人・柳澤光央を追いかけてきたらしい。

一方、光央はいわば、カンペキを求めすぎるがゆえストーカーまがいの香子に辟易しており、予定を変更してランク下の大学を受験したのも、香子から逃げるため。しかし、見抜いた香子は自らも同大学に入学。事情を知って心中複雑な万里。他方、過去の記憶を失った“万里の霊魂”は、そんな彼ら彼女らを客観的に眺め続けており…。

アニメでも大ヒットを飛ばした『とらドラ!』の竹宮ゆゆこ3シリーズ目のライトノベル作品。『とらドラ!』では高校が舞台でしたが、本作は大学であるためか、人物描写や恋愛事情がやや大人びています。より洗練されたドタバタラブコメとひねられた展開に、ファンはもちろん、竹宮ゆゆこ作品に初めて触れる読者も心をわしづかみにされるはず。『イリヤの空』駒都えーじの絵もドラマを盛りたてています。

10月3日から順次テレビアニメがスタート。こちらもチェックを。

【ゴールデンタイム】
http://golden-time.jp/


登場人物たちの思いが複雑に絡まり合い…

衝撃的に登場する香子に衝撃を受ける万里。そして、まさに薔薇の花束で殴られ衝撃をくらった光央

生き生きとしてリアリティがある大学生たちの会話。洗練された竹宮ゆゆこ節