この度量の深さ! ギャグも下ネタも「流石ガンダムだなんともないぜ!」

公開日:2013/10/9

機動戦士ガンダムさん さいしょの巻

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : KADOKAWA / 角川書店
ジャンル:コミック 購入元:BookLive!
著者名:大和田秀樹 価格:583円

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みなさん、お早うございますコンニチハ今晩は。一番好きなガンダム作品は『Zガンダム』な中國卓郎です。第1話冒頭であのシャアが赤いモビルスーツで登場した時、一年中半ズボンだった少年の僕は大いにコーフンしたもんです。そんなシャアが! あの格好良くて3倍速くて尊大で執念深くて若い女の子が大好きで女々しくてでもカリスマなあのシャアが…!

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この『ガンダムさん』では、シャアが裸踊りからガルマ弄りまで終始徹底的にボケ倒してます! それに対し全力でツッコム(どつき倒す)ララァもまた良い味を出しておりまして、つまり本書の主人公&ヒロインはシャアとララァであると言えましょう。

で、初代ガンダムの名シーン&名台詞を面白オカシク4コマ漫画にするってのが基本コンセプトなのですが…今回ワタクシが最も気に入ったのが2巻中盤より始まる「隊長のザクさん」シリーズであります! ここまで全て4コマまたは1~2ページの短編だったのに突然8ページの普通のマンガが始まります(笑)しかもコレ内容がスンゴク良いんですっ!

最新型であり自分より歳(型?)下、しかもヤンキー気質溢れるドムやゲルグクに舐められっぱなしの気弱な隊長=ザクさん。彼は部下と上司(ビグザム指令)に挟まれた悲しき中間管理職である。武器屋の旧ザクのオヤッサン、場末のバーのママ兼シンガーのザクレロ姉さんと彼女を影ながら慕うガンキャノンさん等々、魅力的な人物(モビルスーツ)が多数登場する戦場の戦士…否っ!企業戦士(サラリーマン)漫画が展開されるのです!

モチロン“中の人”などいない! モビルスーツを擬人化する事によって人間以上に人間臭いドラマが繰り広げられます。他にも、戦後の日本が舞台の家族系ほのぼの漫画の様な「宇宙島のガルマくん」シリーズもホッコリしててこれまた良いです!

当然、基本的に『初代ガンダム』ありきな作品でありますので「知っている事」が前提だと思います。でもギャグ漫画ですから「連邦軍とジオン軍がロボット(モビルスーツ)で戦ってるんでしょ?」くらいな知識でも問題ない気もします。で、「知っている側の人間」の感想としましては…パロディーを読むと原作の懐の深さ&魅力を再確認できるなぁってな感じです。あと哀・戦士を“挿入歌”で使うのは卑怯だ! 感動しちまうっての! とも思いました。


旧式だけどザクさんほど汎用性があって芯のある人(モビルスーツ)はいないっ!

オトコを送り出しオンナは唄う…そんな事よりザクレロのデザインセンス!

作者の大和田さんは絶対にヤンキー漫画のスキルが高いと思います(笑)

ザビ家の幸せとは!? これはガンダム史に残る考察かもしれません

ホントさ~敵も味方もガンダムばっかとかそんなの…イヤナンデモナイデス
(C)大和田秀樹/富野由悠季/矢立肇/KADOKAWA角川書店