デブ人生なんて嫌だ! ダイエットで描き出す人生論コミック・エッセイ!

小説・エッセイ

公開日:2013/10/19

パラサイトデブ

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : アットマーククリエイト
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:BookLive!
著者名:都あきこ 価格:540円

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ダラダラの継続は力にはならない。無数に録りだめたダイエット番組、気づいたら買い集まっていた本や健康グッズを眺めながらため息を吐く者も決して少なくはないはずだ。「明日から本気を出そう」と何度言ったことだろうか。何も始めても三日坊主。こんなだらしなさが体型に現れるのだろうか。だが、本当は綺麗になりたい。デブだブタだと罵られる生活を終えて、美ボディを手に入れ、幸せになりたい。そうやって女性ならば、誰もが願っている。

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都あきこ著「パラサイト・デブ」は、ダイエットを題材にした人生論コミックエッセイだ。知らぬ間に増殖するゼイ肉=“パラサイト・デブ”の恐怖から脱出するために奮闘する主人公には思わず誰もが自分自身を重ねてしまうだろう。

身長155センチ、体重62.5キロの主人公「うたこ」は周りから「ブタ子」と呼ばれている。20年間ずっとデブ。「このままでは一生バカにされ続けてしまう!」と一念発起した彼女はあらゆるダイエットに励んでいく…。彼女は美しくなることができるのか?

この本には「デブあるある」が数多く載せられている。例えば、「へそ上パンツじゃなきゃ肉が収まらない」「痩せてる人とは数字の価値観が違っている」果てには「男子にめったに話し掛けられないので、あいさつされるだけで緊張する」なんていうのには思わず頷いてしまう。また、「ダイエットあるある」も描かれていて、これは耳に痛い。「間食をやめれば痩せる」と分かっていても誘惑に負ける。かと言って腹が満たされると罪悪感に苛まれる…。「歯ブラシダイエット」や「やせ日ダイエット」、「耳つぼダイエット」など、あらゆる方法にチャレンジしてもすぐに飽きてしまい、成功してもリバウンド。一向に痩せない苦悩の日々が続いてしまう。

しまいには、「太くったって幸せだったらいいじゃない?」と悟り始める主人公の姿を嘲笑いたくもなる。だが、同時に共感もしてしまうのは何故だろうか。誰の心にも薄志弱行な「うたこ」が住み着いている気がしてならない。とは言っても、このままではマズイ。「ずいぶん痩せたね―」と周りに言わせたいというのが本音だ。

ダイエットの果てに辿り着いた、彼女の「幸せ」とは何なのか?幸せとは綺麗になりたい女性ならば、読むべき1冊。


小さい頃からデブ扱い

さまざまなダイエット法が登場する

デブ輪廻から抜けられない…

デブで何が悪いんだ!
(C)都あきこ/アットマーククリエイト