能力も外見もスペック高いけど、やや天然のお姉さんは好きですか?

更新日:2013/10/21

ハル姉が僕に××する理由(1)

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : KADOKAWA / 富士見書房
ジャンル:コミック 購入元:BOOK☆WALKER
著者名:大見武士 価格:450円

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冒頭から、「すっきりヌいてあげるから」などと不穏なセリフが出てくるのですが、その辺のさじ加減が実に富士見書房らしい作品です。確かにドキっとするようなシーンはあるのですが、結局は主人公の桐崎秀人くんの勘違いというオチでして。がんがん迫って来るハル姉こと氷室ハルさんにしてみれば、それは秀人くんの霊力が溜まりすぎるという特異体質を救うための処置でしかないのです。思わせぶりなことをいわせておいて、「なーんだ、勘違いかぁ」という方に持っていく。ちょっと古いライトノベルなんかで多くみられた、おなじみの手法です。

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今、さらっと書いてしまいましたけど、この作品の構図は「八咫御霊(やたみたま)」という、人の何百倍も霊力を生成してしまう体質の秀人くんを狙う「ケガレ」や謎勢力と、事前に霊力を吸ってしまうことでトラブルを未然に防ごうとするハル姉がバトルというかドタバタを繰り広げるというもの。

1巻前半では、ハル姉に霊力を吸ってもらうためには、秀人くんは抱きついてもらわないとダメなのですが、そんなうれしい展開も女の子が病的なほどに苦手な秀人くんには苦痛でしかない。また、いやがる秀人くんに抱きつこうとするハル姉に、秀人のクラスメイトは痴女のレッテルまで貼ってしまう。だけど、ハル姉なしには「ケガレ」は倒せない。そんな感じで悶絶したり、バトルしたりと大忙しです。

たぶんこの展開だけでも話はもっと引き延ばせると思うのですが、この作品の潔いところは、用意した仕掛けの出し惜しみをしないということ。ハル姉のことを吸血姫と呼ぶ敵の女の子が出てきたり、さらにはハル姉も完全に好意と善意だけで助けてくれているわけではないことがわかって2巻へと続きます。複雑な話ではないです。でも、スピード感があるので吸引力は強いコミックです。


ちかんに注意の看板もむなしく、いきなりハル姉に霊力を吸われる秀人くん

なぜそんなに及び腰なのかというと、女の子が苦手だから

ところが霊力が溜まりすぎると、ケガレが襲ってくる

そこで必要になるのがハル姉の能力

そんなハル姉を吸血姫と呼ぶ女の子登場。ハル姉にも秘密が…