実用的とはまさにこのこと！ 寝台列車の旅に必携！

鉄道本を開くことはあまりないのですが、この本は表紙の素晴らしい写真に惹かれて購入。読み終わるころにはすっかり「次の国内の旅は寝台列車で！」という気持ちになってしまう、実によく出来た1冊。

日本の列車網もサービスも私は世界一だと思っていますが、飛行機でチャッといってチャッとどこでも行けてしまう昨今。寝台列車で「景色を愛でながら」「地方色を味わいながら」の旅というのはまさに贅沢そのもの。そして寝台列車はスイートでも新幹線や飛行機よりも割安なのではないかと思います。要求されるのは寝台列車に乗れるだけの「時間の余裕」のみ！ これが一番の贅沢ですね。ぼんやりしたり、車窓を眺めたり。旅のつれづれ、初めて乗り合わす人とおしゃべりがはずんだり。

本書の様々なカットはそんな列車内の状景をいろいろ夢見させてくれる趣向。当分長い休暇の予定はなくとも、まずはこの1冊で魅力を存分に味わえます。大阪から札幌を22時間で走るトワイライトエクスプレスは日本海を望みながら本格フレンチを楽しめるとか、東京発札幌ならカシオペアで。昭和の香り漂う北斗星やあけぼの、出雲をめぐるサンライズエクスプレスなんていう寝台列車もあるんです。

どの列車についても編成と部屋内容を細かく解説。トイレやシャワーの有無、各部屋の㎡から頭上の余裕まで、ありとあらゆる要素を比較することが可能。荷物を入れる部分やもちろん車内グルメ情報、お土産情報、絶景ポイントまで、読むだけであなたも寝台列車通に！

それほど頻繁に乗る機会がないだけに、じっくりこうしたガイドブックでプランを練って完璧な旅行にしたいものです。