ヒロインが一心不乱に食べるだけ? まぁそうだけど…でもでもね?

公開日:2013/10/30

たべるダケ(1)

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : 小学館
ジャンル:コミック 購入元:BookLive!
著者名:高田サンコ 価格:432円

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みなさん、お早うございますコンニチハ今晩は。独りで外食はあまりしない中國卓郎です。さて、一見すると「ん? キノコ?」なんて思いかねないタイトルでありますが「たべる茸」ではなく文字通り「食べるだけ」って意味…で当たっていると思います多分!

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「食」を取り扱った漫画や小説はそれこそ無数に存在し、それぞれ究極だったり孤独だったり流れ板だったりパパだったりと様々な「個性」で我々読者を楽しませてくれています。

では本書の「個性」はと言いますと、これが中々に説明が難しく…でも誤解を恐れず言っちゃうならば「え? なんだこれ!?」ってとこでしょうか。

主人公は推定年齢20代前半の女性で名前は不明。名前が不明なんだから職業も現住所も当然不明! そんな謎のデカ盛りてんこ盛りなヒロインは第1話で就職活動中の青年を定食屋に誘います。2人に面識は一切無い様子にて「え? イキナリ? なんで!?」って僕ぁ思いました。でも、なんだかよく分かりませんがスタミナ丼を美味しそう&幸せそう&一心不乱に食べる彼女には説得力があるとも思えました。

しかし続く第2話にて本書は早くも「え? なんだこれ!?」を軽々超えてきます。もはや絶句です! 幼児が独りで留守番する他人の家に押し入る→その子にハンバーグを作らせる→仲良く全部たいらげる→親の帰宅前に帰る…ってナンナンデスカコレハ! とにかく彼女はお腹が減ると、例えそれが見ず知らずの男性の部屋でもお構いなしにお邪魔して一緒に御飯を食べる習性があるみたいです。イヤ、もう意味がワカリマセン! 口数の少ない彼女は自分の事は何も話さず、ただただいつも空腹なのです。正直、僕ぁこんなに(倫理的な意味で)好きになれないヒロインは初めてかもしれません…

だがしかしだがしかし! 食事中の彼女は非常に素晴らしく魅力的なんです。「たべるダケ」と言う潔いタイトルの作品における食事シーン、これ即ち最大の魅せ場でありましょう。だのに…喋りません! 彼女は食事中ほぼ何も喋らずモノローグすらありません。ただただ食べます「食べるダケ」です! なんだか分らないヒロインがなんだか分らないけど美味そうなモノを食べる。それダケなのに、なんだか分らないけどとても気になるナンダコレ! と、そんな不思議な作品であります。


うどんを啜るこの疾走感! 素晴らしい(1巻より)

各話に登場する食材の説明が楽しくてためになります(1巻より)

ヒロインはまぐりを喰う! うん美味そうだ(1巻より)

ホイコーローと白い御飯…何度見ても腹が減るわぁ(2巻より)
(C)高田サンコ/小学館