手帳との付き合い方ひとつで、明日からの自分が変わってくるかも!?

公開日:2013/11/21

一冊の手帳で夢は必ずかなう - なりたい自分になるシンプルな方法

ハード : iPhone/iPad/Android 発売元 : かんき出版
ジャンル:教養・人文・歴史 購入元:Kindleストア
著者名:熊谷正寿 価格:※ストアでご確認ください

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女性誌編集者という仕事柄、これまで何度か「“デキる”女性の手帳を拝見!」的な企画を担当してきました。取材を通じて感じたのは、公私ともに多忙な人ほどスケジュール帳の使い方が上手く、さらにオリジナルなメモ帳も併用している方が多いということ。たとえば「ファッションの自分記録」「マニアな情報ストック手帳」「書くことで気持ちをリセットする絵日記」「つかみのヒントメモ」など、テーマをもって記録し、書くことで、さまざまな効果を得ていたのが印象的でした。

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ということで、この『一冊の手帳で夢は必ずかなう なりたい自分になるシンプルな方法』にも、かなりの期待を寄せてページをタップ。著者はGMOインターネットのイケメン社長、熊谷正寿さん。熊谷さんは手帳に将来の野望(夢)を書き付けてそれを毎日携帯し、常に読み返すことで、なんと目標だった会社設立を実現。さらに東証一部上場企業グループにまで成長させることができたのだとか。

果たしてその方法とはいったい!? 手帳ひとつで「なりたい自分に近づく」そのポイントとは、まずは自分の進むべき指針を見極めるために、ステップ別に手帳を3つに区分けすること。

1)やりたい夢を書き出す「夢手帳」→紙に書いて強く信じるモチベーションのよりどころ(意識する)
2)すべきことを書き出す「行動手帳」→目標実現のためにすべきことを時間軸で振り分ける(期日を設ける)
3)考える項目を書き出す「思考手帳」→事業やプロジェクト、人物別に、すべきことや情報をまとめておく(自分に必要なデータバンク作成)

つまり、漠然とした夢(目標)や思い付き(アイディア)を、文字にして書き出したり、具体的なアクションを起こす時期を自分で設定することから、その具現化が始まってゆくのです。さらに、ことがうまく進むためには、夢や目標に関わる案件ごとのto doや細かな情報を日頃からきちんと分類&整理し、ストックしておく。すると、いざというとき客観的な判断が迅速にできるようになり、そこでまたまた差がつくのだとか。ふだんからぼんやり漫然と過ごしていないで、常に目標に近づく思考や行動、情報収集を続けることが、熊谷流手帳術のキーワードとみました。

なにより大切なのは、自分の夢にまつわる強い思考や行動は「手書き」の文字で書いてこそ、頭に強烈にインプットされるということでしょうか。ネット上の記録は、手帳のように簡単にパラパラ見返すことができないので、記憶のかなたに埋もれてしまいがちだと言われると、まさにその通りですよね(このあたり、紙とデジタルツールの上手な併用法も書かれているので、詳しくは本書を)。そして、その自分で書いた文字を何度も見て読み返し、潜在記憶に定着させることが、成功への第二歩となるのだと思われます。

ちなみに著者の熊谷さんは上記の手帳を、バインダー式でバイブルサイズのシステム手帳に綴じ込むことを推奨しています。大切な情報はバラバラに保管せず「一元化」し「見える化」しておくと、おのずと自分の考えも系統だってくるというわけです。本書の中盤以降は、著者の情報収集法および情報整理術や、成功のための帝王学的な話がメインとなってくるため、起業家ではない一般の方には、若干応用が効きにくい内容になっているのが少々残念でした。ただ、そういったセオリーを自分の中にもつことで、手帳におさめた情報をよりハイレベルに活用できるというのも、また事実だと思われます。

とにもかくにも、将来なりたい自分像がある人、何かやりとげたいことがある人は、この本からいいとこどりして、今日から手帳との付き合い方を変えてみてはどうでしょうか。日々ミッションに追われているという方は、自分の頭ですべてを記憶しようと頑張らず、手帳を自分の外付けハードディスクだと思って「情報やデータを保管」し、テーマ別に管理するだけでも、仕事の進捗が変わってくるかもしれません。


夢を追いかけたいなら「夢手帳」をつけよ! まずはやりたいことのリスト化から

3つの手帳には、それぞれさらに書き出す下位項目が設定されている

どんな夢も、まずは現実を正しく見つめることから。シビアに現状把握できる力も大切!