心くすぐる「世界の食」最高峰エッセイ。ああっ、今すぐ食べたい…!!
公開日:2013/11/23
「生きるために食べるのか、食べるために生きるのか」人間は二分されます。私は後者! と自信満々に言い切るのが著者の米原万里さん。ロシア語の通訳者であり、作家である彼女のあくなき食への探求心は、日本中、いや、世界中の人々を魅了します。
「食」という秩序によって繰り広げられるこのエッセイは、まさに無限の広がりを見せる「食」そのものといえる構成。まあ、つまり食についてならなんでも書いてあるんです(笑)著者が幼き頃、友達がお土産として買ってきてくれた摩訶不思議な美味のお菓子「ハルヴァ」の描かれ方は、そりゃあもうこの上なく私の好奇心と興味をそそり、胸が「ハルヴァ」への妄想でいっぱいになってしまうほど。
インターネットで調べたところ、本作に影響され「ハルヴァ」探しに明け暮れる方々が山ほどいました(笑)日本はおろか世界でも手に入りにくいんだとか。これに加え、世界の食文化の違いとか、あの懐かしい絵本にでてくる(たとえば『ちびくろサンボ』のホットケーキとかね)魅惑的な食べ物とか、「食」にまつわるエピソードが、著者の身辺に寄り添って面白おかしく書かれています。
しかも著者の知識量といったらそれはすごいもので、面白い話を聞いていたと思ったらいつのまにか、しっかりした裏付けに感心させられていたり。ただの食べ物日記とは違うんですね。さすが、といった感じ。頭と心をくすぐる「食」の最高峰エッセイです。ぜひ、ご堪能あれ!!
これが「ハルヴァ」!
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