暴走したのは遺伝子より人間の方が先だった

2011/10/11

暴走する遺伝子 人類はパンドラの箱を開けてしまったのか

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : 平凡社
ジャンル:趣味・実用・カルチャー 購入元:eBookJapan
著者名:岡田正彦 価格:540円

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新潟大学大学院教授で予防医療についての研究、教育、診療を行なっている岡田正彦の著。
著者は遺伝子ビジネスの実態を冷静に分析し、人間が遺伝子に手を加えることの危険性を訴えている。

遺伝子とは、一般的には遺伝情報全体を漠然と示す言葉として使われている。
だが専門的には生物の遺伝情報を担う主要因子であり、「一つのたんぱく質を作るために必要なDNAの一部分」という意味である。
またDNA、いわゆるデオキシリボ核酸(Deoxyribonucleic acid)とは核酸の一種であり、高分子生体物質で地球上のほぼ全ての生物において、遺伝情報を担う物質である。

そしてDNA全体ではゲノムと呼ばれ、ゲノムは「ある生物をその生物たらしめるのに必須な遺伝情報」と定義されている。
核酸の一種の一部分である遺伝子。その遺伝子には二つの大きな使命がある。
一つは「自分の分身である子どもを作ること」。もう一つは「日々生きていくための細胞のコントロールを行なうこと」。
例えばコレステロールコントロールなど、遺伝子はあらゆる生命活動をコントロールする司令塔となっている。

本書によれば、その遺伝子を扱うビジネスが異常な事態になっているという。
不妊の男性に代わって、ネズミの人間の精子を作らせるという計画や、南米アマゾンの原住民から多数の遺伝子を集め、研究用セットとして、ネットによる無断販売をする業者など枚挙に暇がない。
明らかに異常と思われる研究やビジネスに対して、それを禁止する法律がどの国にもなく、基本的人権や道徳まで無視して、暴走を始めているのだ。
遺伝子組み換え生物、食品など実生活にも影響を及ぼし始めている実状。そして今後想定される被害。誤った遺伝子操作でもっとも甚大な被害として考えられるのは、地球上の生命の絶滅である。

その研究、ビジネスの発展の過程で過ちを犯す者も出てくるのはいたしかたない。ただ過ちを犯した者を罰するのではなく、世界的な危機管理システムを確立することであると著者は警鐘を鳴らしている。


目次

内容は著者の警告が幾多も記されている

参考文献 (C)岡田正彦/平凡社