日本の風習の由来とは? 本当の「お・も・て・な・し」大国日本を知ろう!

公開日:2013/12/15

四季のしきたりマナー美人手帖

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : 阪急コミュニケーションズ
ジャンル: 購入元:BookLive!
著者名:西出博子 価格:702円

※最新の価格はストアでご確認ください。

「お・も・て・な・し」が日本の文化だと流行語を口ずさみながらも、本当に自分が日本人として日本のしきたりを体得できているかと言われると、はっきり言って自信がない。風習にはその国の心がちりばめているはずなのだ。それを「ただなんとなく」で受け入れ、意味も分からぬまま行なっていて良いのだろうか。行事なんて楽しければ何でも良いのだろうか。年末・年始が近づくにつれて、強くそう思う。何も日本のことなど分からぬまま大人になってしまった自分にほんの少し焦りと寂しさを感じる者も少なくはない。

advertisement

カリスママナー講師・西出博子著『四季のしきたり マナー美人手帖』では日本人が知っておくべきしきたりをかわいいイラストとともに詳しく解説している。知っていて当然、でも、由来を聞かれたらパッとは答えられないような日本ならではの風習が月ごとに説明されていて分かりやすい。贈り物のマナーから食事のマナーも網羅されており、手元において何度でも見返したい便利な1冊だ。

今一番知っておくべきは、年末から年始にかけての習わしだろうか。例えば、この時期に贈り合うお歳暮の元々の由来は中国からきているという。中国では1年の始めを「元」と呼び、一年の真ん中にあたる7月15日を「中元」、一年の終わりを「歳暮」と呼ぶ。これに日本のお盆に「御霊祭り」として供え物を贈り合う習慣が一緒になって定着したのが今のお中元やお歳暮だ。お歳暮は正月の準備を始める12月初旬から12月25日頃までに贈ると良く、関東では12月15日までに、関西では15~25日くらいまでに贈ることが多い。添え状を同封するか、別便で贈ると、感謝の気持ちがより伝わりやすいから、送付することを忘れずにおきたい。

年末といえば、「お歳暮」だけでなく、「大掃除」の季節でもある。「大掃除」は江戸時代から12月13日には、新しい“年神様”を迎えるための準備「正月事始め」の一貫として行なわれる「すす払い」が原点のようだ。すす払いは1年の埃を払い落とすことで、家の中を掃き清め、新年の五穀豊穣を年神様に祈る行事。かつては「正月事始め」として、門松に使う松や料理を造る時に使う薪などをとりに山に出かけることと共に13日にすす払いを行なっていた。現代でも神社や寺などでは竹竿の先にわらをつけた「すす梵天」と呼ばれる道具を使って行なわれ、一般の家庭では、年末の大掃除がこれにあたる。年末に慌てて大掃除をするのではなく、13日から徐々に掃除するのが、本来の大掃除らしい。

大掃除が終わったら、お正月飾りを28日までに飾ろう。29日は「9=苦」に通じると言われて縁起が良くなく、31日は「一夜飾り」といって年神様をお迎えする準備に余裕がなく誠意がないとされる。門松は年神様が降りてくる目印となり、しめ飾りは古い年の汚れを落としてくれる。

日本のありとあらゆる風習を中心として、日本に輸入され既に定着した海外の風習の謂れにも本書では少し触れている。日本の風習と比べて見てみると似たものが多いことに気づいて興味深い。クリスマスツリーやリースは、門松やしめ縄と同様に魔除けや豊作祈願の意味が込められているし、クリスマスカードも日本の年賀状と同じ意味合いを持つようだ。自国の文化を知ることで、海外の文化もずっと良く理解できそうな気がする。一家に1冊、いや、一人1冊、いや、日本人として必携の1冊。


月ごとに解説されている

絵がかわいらしく、そして、わかりやすい

お中元、お歳暮の送り方の詳しい解説

日本に輸入されている海外の風習の由来についても触れられていて嬉しい

元旦から大晦日まで、ありとあらゆる風習とその由来を徹底解説!