『BIOMEGA』『BLAME!』の弐瓶勉が学園ラブコメロボットSFに挑戦!

BLAME

2013/12/19

シドニアの騎士(1)

ハード : PC/Android 発売元 : 講談社
ジャンル:コミック 購入元:BOOK☆WALKER
著者名:弐瓶勉 価格:525円

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『BLAME!』から約5年を経て、満を持して登場した弐瓶(にへい)先生の『シドニアの騎士』は知る人ぞ知るSF長編作品。現在も『月刊アフタヌーン』で連載中であり、2014年の春からアニメ放映も決定している今が波に乗っている時期、まさに読み頃の作品です。

1巻では前作のダーティ色を抑え気味に、“ロボットもの”や“学園ラブコメ”要素を取り込んでおり、SF初心者でも楽しく読み進めることができます。それでいて前作での「雑誌を閉じた状態で横から見て黒い部分が『BLAME!』という探し方ができる」というほどの緻密な書き込みも健在で、細かく描かれた建造物群のスケールの大きさには圧倒させられること間違いなし!

世界は人類が太陽系から逃げ出して1000年後の、シドニア出航紀元1009年(現在の地球紀元でいうと3394年)の世界。人類が地球から逃げ出した原因は、奇居子(ガウナ)と呼ばれる謎の生命体に侵略されたため。人類はそれぞれ複数の宇宙船で地球から旅立ちましたが、各船との交信は700年前の通信を最後に途絶え、現在宇宙船シドニアは孤独な旅を続けています。

シドニア船内で暮らすシドニア人は、遺伝子改造により光合成で栄養補給ができるため、週に一度の食事で生きていけるようになっています。けれど、主人公の谷風長道(たにかぜ ながて)だけはなぜか例外。彼は隠れ住むように祖父とシドニアの地下で暮らしていました。が、祖父が死んで3年、食料が尽き長道は米を求めて地上へ。その時から物語の糸が周り始めます。あえなく捕縛された長道は何故か艦長に身柄を引き取られ、ガウナと戦う人型戦闘機に搭乗することに。地下で祖父と2人きりで過ごしてきた長道には地上の世界は未知の発見で溢れていて、失敗をすることもあれば友人もでき、そして初めての出撃訓練でガウナと遭遇し…という出だしになっています。

1巻では謎の種まきや世界観の説明などが多く、2巻からが本気の弐瓶ワールド展開になります。容赦ないです。さらに色んな意味ですごいヒロインが出てきます。もう、さすがです弐瓶先生としか言いようがありません。余人には真似できない、弐瓶先生でしか描けない作品であると断言できるでしょう。アニメ放映が始まる前に、噛めば噛むほど良い味の出る原作弐瓶ワールドを味わってみてはいかがでしょうか。


祖父仕込みの操縦(訓練)の腕はピカイチ! スコアでは表しきれぬ才能はひっそりと地下で育まれて…

ガウナ怖いー! なんだか麺類が食べたくなくなってきますね(笑)

お米がない。そんな些細なところから始まる宇宙を駆ける少年の物語

与えられた戦闘機に長道の胸が踊ります。待っている過酷な未来を想像できるはずもなく