1000円以下のジーンズはなぜ実現できる? 「激安」の仕組みを解明

2013/12/27

「激安」のからくり

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : 中央公論新社
ジャンル: 購入元:BookLive!
著者名:金子哲雄 価格:680円

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ユニクロにヤマダ電機、ドンキホーテとおなじみの安売り店。一昔前では考えられないような、リーズナブルな価格で欲しい品が手に入る消費者の見方ですよね。「激安」の裏事情を読み解くことで、流通の仕組み、経済、暮らしの変化を独自の視点で紹介・解説したのが、今回ご紹介する『「激安」のからくり』です。

「安ければ安いほどいい」と消費者は考えがちですが、本書では、「激安」の仕組みを明らかすることで、現代社会のさまざまな問題までも提示していきます。経済の話だから難しいのか思いきや、内容は非常に分かりやすく、楽しみながら、読み進めることができます。

グローバルサプライチェーンマネジメントなんていうと、少しとっつきにくいですが、「1000円以下の激安ジーンズはなぜ、実現できたのか?」といった話なら興味もわくというもの。「激安」の現場について語る第1章では、ジーンズにハンバーガー、スーツ、パソコンといった商品の「安さ」の秘密が明かされます。スーツの話で私が興味を持ったのが、AOKIや洋服の青山などの、大手紳士服量販店のスーツは、他の業態で販売されているスーツよりもコストパフォーマンスが高いという話。その理由は、生産販売枚数が多いため、「日本の客はこの値段でかつ、この着心地で、この耐久性ならば買う」という販売データが大量に蓄積されているからだそうで、安売り店ならでは、情報収集力が活きているわけです。

第2章は、ダイエーの中内功氏や、イトーヨーカドーの鈴木敏文氏、ユニクロの柳井正氏と、安さを追求した経営者の人物史。第3章では、「激安」の行き着く先を考え、問題提起もしていきます。「激安」は、少しでも出費を控えたい消費者にとってはありがたいものですが、流通業を突き詰めていくと、消費者とは買い手であると同時、作り手でもあるため、極端な「激安」は、生活を圧迫することにもなりうるんですね。

安い商品を比較する際のポイントなど、賢い消費者になるためのヒントも伝授され、本書を読むと、激安店を訪れ、商品チェックをしてみたくなります。気楽に読みながら、経済の仕組みも学べる本書、ぜひご一読を。


ジーンズにハンバーガーと激安の現場を探ります

「激安」は今後も続くとする著者。消費者は常に「安いもの」を求めていきます

コラムも楽しい読み物となっています。「安売り店の見分け方」なんて、気になりますね
(C)金子哲雄/中央公論新社