織田信長、カエサル、ジャンヌ・ダルクは最後の晩餐に何を望むのか?

更新日:2014/1/28

最後のレストラン 1巻

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : 新潮社
ジャンル:コミック 購入元:BookLive!
著者名:藤栄道彦 価格:454円

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相変わらず、教育現場で食育がさかんです。さまざまな教科で興味深い取り組みがなされており、たとえば美術では、ゴッホの「ジャガイモを食べる人々」やフェルメールの「牛乳を注ぐ女」ほかの名画を題材にして、食への興味を引き出し、知識を培っているとのこと。レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」なんて、格好の題材です。

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さて、「最後の晩餐」というと、「もし最後の晩餐が望めるなら、自分は何がいいか?」などと一考したことがあるかもしれません。豪華な、質素な、珍品、食べ慣れたもの…大げさかもしれませんが、希望する最後の晩餐は、人生を経て獲得した人となりや人生そのものを表すといっても過言ではないように思います。

では、誰にも知られた偉人たちなら、どんな最後の晩餐が用意されるのか。たとえば、織田信長、マリー・アントワネット、ガイウス・ユリウス・カエサル、坂本竜馬、ジャンヌ・ダルク…。歴史上の偉人たちは、伝えられるうちに人格が人によって作られた部分があるのは当然ですが、そこから思考ゲームとして最後の晩餐を想像してみるのは面白そう。

これを形にしてみたのが、本作です。舞台は、ちょっとザンネンな若いオーナーシェフ・園場 凌(そのば・しのぐ)が父親から受け継いだ、レストラン「ヘブンズドア」。ここに、どのような仕組みなのか、死を直前にした前述の偉人たちが次々とタイムワープで来店するのです。ザンネン属性とはいえ、確かな才能を隠し持っている凌は、名前のとおり“そのばしのぎ”にも見える機転と天才的な発想力で、織田信長はじめ、偉人たちのムチャな要求にみごと応えていきます。

歴史考証が丁寧になされている印象にもかかわらず、絵柄はポップで親しみやすい。基本的に、人物あたり1話完結型のストーリー構成も読みやすい。

時空を超えてやってきた偉人たちのステキな最後の晩餐を見ていたら、なんだかおなかが空いてくること、うけあいです。夜中に読んではイケマセン。


本能寺で死を前にして「腹が減った」と口にする豪胆な信長…

タイムワープでご一行がご来店ー!

信長の「最後の晩餐」の要求は、「どこの誰の食べたことのない空前絶後の料理」。主人公はどうやってしのぐのか?
(C)藤栄道彦/新潮社