「あきらめ方」の実践例も豊富に。もっと気楽にゆこう!

公開日:2014/1/22

自律神経を整える「あきらめる」健康法

ハード : Windows/Mac/iPhone/iPad/Android 発売元 : KADOKAWA
ジャンル:教養・人文・歴史 購入元:紀伊國屋書店Kinoppy
著者名:小林弘幸 価格:842円

※最新の価格はストアでご確認ください。

まことに世の中の科学は発達したもので、お医者さんたちは「あきらめる」みたいな感情までも数値データで計れるものらしい。著者は順天堂大学医学部教授。自律神経研究の第一人者という人物です。私たちが何も考えなくても呼吸をし、外界の刺激に適切に反応していられるのは、この自律神経がきちんと機能しているから。

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自律神経がバランスを崩すと、病気になるというのは素人でもわかりますが、それでは、その自律神経がどんなときに崩れるのか、どうすればバランスよくいられるのかということを科学的に説明してくれる好著。

無駄な想像をやめ、ギブアップではなく、その状況を受け入れる気持ちになる、つまり「あきらめる」と崩れていた交感神経と副交感神経のバランスが戻るのだそう。そうした研究結果から説明される気持ちと体の表裏一体がどんな風に機能してるのかというお話は、小気味よいほど納得できます。

では、どうやって「あきらめる」スキルを日常的に身につけるか。例えば。怒ったときに拳を握る動作を私たちは考えることもなくしてしまうものですが、このとき、拳を放してみる。手の平を広げただけで、なぜかすっと頭の中に風が入るような、気持ちを変えるきっかけが生まれる、とか。

面白かったのは、スキップ。スキップしながら人間は怒れないのだというくだりには笑いました。そうそう。今度から我慢できないほど怒ったときにはスキップです。街中でスキップしてる人が増えたら楽しいだろうなぁ!

それから、意外にもため息をつくと副交感神経が上がるのだとか。アスリートやアーティストのコンディション調整も指導しているという著者。説得力溢れる「あきらめ」法は、実は仏教にもつながる思考方法のような、気もしました。読後、実践あるのみ。


血液を見るだけで、自律神経のバランスがわかる、という事実

怒ると体の中ではどんなことが起こっているのでしょう….

確かに! これからはスキップ健康法かな