藤原竜也、田中聖、ブラマヨ小杉主演映画原作 人生を賭けた銀行強盗! 多額の金を手にするのは一体誰?

公開日:2014/1/22

サンブンノイチ

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : KADOKAWA / 角川書店
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:BookLive!
著者名:木下半太 価格:626円

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人間の強欲さや狡猾さを考慮し始めたら、算数の文章題はひとつのサスペンスになる。たとえば、それは分数が顕著で、3人集まれば人は仲良くモノを分け合うのさえ難しい。しかも分け合うのがカネとなれば、人の欲は尽きることがない。自分の取り分は多いに越したことはないし、相手をどうにか出し抜きたい。カネが集まるところには次々と碌でもない奴らが集まり始め、一攫千金を狙っては騙し合い、裏切り合い、奪い合いを続けていく。

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木下半太著『サンブンノイチ』は銀行強盗犯を主人公としたスリル溢れるエンターテインメント小説。2014年4月には品川ヒロシを監督、藤原竜也、田中聖、ブラックマヨネーズ小杉竜一の3人を主演に映画公開も決定した作品の原作でもある。この話題作は最初から最後まで展開の予測は不可能。登場人物だけでなく、読者をも巧みに騙していく展開の数々にあっと驚くこと間違いない。

舞台は川崎の仲見世通りにあるキャバクラ・ハニーバニー。開店前の店内には、銀行強盗を成功させた3人の男が身を潜めていた。キャバクラの雇われ店長・シュウ。ボーイ・コジ。常連・健さん。彼らは奪いとった多額の金を平等に分け合うはずだったが、数億のカネの分配をめぐり仲間割れ。「カネの分け前はわしとシュウが四割ずつ。コジは二割でどうや?」「二等分にしようぜ。オレと健さんで。」「コジ、わしと組んだほうがええぞ。あとで痛い目に遭っても知らんぞ。」3人は自分の取り分を少しでも増やすため、相手を出し抜こうと画策する。だが、計画に携わっていたのは3人だけではなかった。シュウに計画を持ちかけたキャバクラ嬢。実際の計画立案者の裏社会の帝王。計画を嗅ぎつけた「川崎の魔女」。カネが絡むとこうも人は醜いのか。一体、最後に微笑むのは誰なのか。無事に金を手にすることは出来るのだろうか。

3人の男の醜い争いにはほとほと呆れてしまうが、彼らは人生を賭けて騙し合っている。雇われ店長・シュウは、店の売上金を紛失し、オーナーに目をつけられているし、ボーイ・コジはギャンブルづけで借金まみれ、常連・健さんは事業が立ち行かず破産寸前。3人は後がないからこそ、銀行強盗を起こし、騙し合いを始める。一体、誰のことが信じられるだろうか。誰を「仲間」と呼べるのだろうか。彼らは全神経を集中させ、信頼にたる人物を探し、自らの人生を大逆転させようと足掻いている。だが、そんな彼らを高見から見つめる不気味な存在…。どう転んでも3人は負け犬のままなのだろうか。逆境の中で一体誰がカネを手にし、人生をやり直すことが出来るのか。

「目に映るものが真実とは限らない。見えているからといって安心していたら、痛い目に遭うのがオチだ。」物語の中で何度も繰り返されるこの言葉の本当の意味は最後を読むまで分からない。アナタはこの本の中で何回騙されるだろうか。真実を見いだせるだろうか。人生、逆転したい人にこそ読んでほしい1冊。


銀行強盗を成功させ、カネを分け合うこととに

次第に仲間に不信感を募らせて行く

そして、仲間割れ

銀行強盗をせざるを得なかった事情を語りだすシュウ

最後の一行までドキドキがとまらない
(C)木下半太/KADOKAWA / 角川書店