悪しき輩から盗るっ! 彼らは現代のネズミ小僧…ってワケでもない!

公開日:2014/2/8

ギャングース(1)

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : 講談社
ジャンル:コミック 購入元:BookLive!
著者名:肥谷圭介 価格:540円

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 みなさん、お早うございますコンニチハ今晩は。闇とか裏とかって場所はなるべく避けたい中國卓郎です。先日、昨年度(2013年)の「特殊詐欺」被害額が過去最悪になったと言うニュースを目にしました。「オレオレ」や「振り込め」等の詐欺をひっくるめて「特殊詐欺」と言うらしいですが、いやしかし驚きました! 何がってそりゃモチロン「母さん助けて詐欺」って名称はどこに行ったのかと! そもそも「母さん助けて詐欺」って名称を推した方々はどこに惹かれたのか等々その辺に関しての疑問はわりと尽きないのですが、ともかく我々の身近にはそんな特殊詐欺だけでなく意外な所に意外な犯罪=闇が隠れてたりします。本書『ギャングース』はそんな闇稼業のお話でございます。

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 主人公達3人の若者は身よりはおろか住民票すら持っていません。そんな彼らが彼らの力だけで生きるために選んだ仕事、それが闇業者へのタタキ(強盗)なのです。やましい所がある組織から盗んでも警察沙汰にはされないので安心と言う趣旨のもと、彼らはあらゆる闇業者をタタキます。それこそ一話では振り込め詐欺グループの金庫を、その後も建築資材窃盗グループや脱法ハーブ屋等々、知っているようで知らない(または知っているけどそんな深くまで知らない)ダークサイドな「お仕事」が続々登場します。そんな中、ワタクシが最もゾッとしたエピソードが「名簿」です。

 様々な名簿が闇業者に出回っているってのは良く知られた話ですが、現在その名簿はより具体的かつ効率的に細分化しているようです。例えば…20年程前は新興住宅地であったのに今では子供も巣立ち、高齢になった親の大部分が独りで暮らしている区画のリスト。さらには過去に詐欺被害にあった有無から子供の名前、職業、実家に帰省する頻度に至るまで様々な情報が名簿化されて売買されているのです。これ、実家を出ている方々には相当ドキリとする事実だと思います。

 この様にいつか自分に被害が及ぶかもしれない身近な犯罪の実例と内情がとても生々しく精緻に描かれています。自分が犯罪に巻き込まれるのを防ぐためにも知っておいて損はないです。で、モチロン純粋にマンガとしてもおもしろいです! 勧善懲悪ではなく正義の味方でもない…けれど人間としては悪いヤツじゃない! しかし法律的には色々アウトな3人がとても良いキャラしてます。彼らはいったい何をやらかしてくれるのか? どこへ向かうのか? 今後の展開がとても気になる作品です。


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(C)肥谷圭介、鈴木大介/講談社