「転職したい」「今の生活が嫌!」と不満がある人、必読

公開日:2014/2/13

世界のどこでも生きられる! ― 外籠もりのススメ

ハード : Windows/Mac/iPhone/iPad/Android/Reader 発売元 : ディスカバー・トゥエンティワン
ジャンル:ビジネス・社会・経済 購入元:紀伊國屋書店Kinoppy
著者名:May_Roma 価格:1,123円

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 私もひょんなことからスペインに住んで18年の年月が経った。住めば都で、最初のうちはカルチャーショックだった数々の習慣が自分のものとなり、土地に根を張るようになってみると、やはり著者のように働くのは外でも中でも同じことと思う。飛行機に乗ることが日常で、通信手段がこれだけ発展すると、もう雇用条件やどこでだれとどうやって仕事をしているかという詳細にこだわらなくとも仕事ができる現実がある。著者の言う通り、確かに「世界どこでも生きられる」のである。

著者の歯に衣着せぬ物言いは目次に顕著。
「国内と国外 分けて考えるお前はアフォ」
「『以心伝心』は外国じゃ黒魔術だ」
「仕事がめたくそな国は、自殺率が低い!? 仕事がないからダメ人間と責めるのは間違っている!!!」など。

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 前半、あまりの言葉の汚さと、時々目に飛び込んでくる罵詈雑言の倍々フォントにイライラとしていましたが、言っていることは至極真っ当であります。ことに、著者自身が海外で働くことはすでに特別でもなんでもない、生き抜くためのサバイバルのひとつというスタンスで人生論にも近い論旨を展開するところが魅力的。

 「海外で仕事」=「かっこいい」「あこがれの」という時代はすでに終わっています。やりたいことがあれば、中も外も関係ない。著者の主張は賛否両論ありそうですが、海外に興味もない若輩が増える昨今、こうした1冊は格好の起爆剤になるのではないでしょうか。

 これからどんどん高齢化する先進国。日本にそうした外国人労働者は増えていくだろうし、日本から出て行く人も多くなるでしょう。ことに著者の専門分野であるIT産業の、国をまたがった雇用や労働スタイルを見ていると、これからの日本の人口流動=「仕事があるところへの移住」が普通になる感覚がしてきます。今まさに、国の形、働く形の大きな転換期の入り口にいるのかも。また、労働許可とか、在住許可とかシリアスな問題にもきちんと触れていて◎。現在の仕事に満足していない人、必読です。


海外に出ると日本の幸せ度も客観的に観察できます

この技は凄いな~。このぐらいの図々しさもサバイバルには必要か

日本国内では素晴らしい言葉なのですが、海外では通用せず!

これは気持ちよいほど明確な事実ですね