「ほんとう」のわたしが分からない青春の彷徨を描いた切ない物語

小説・エッセイ

2014/2/15

 一頃、「自分探し」という言葉が、吹き荒れる紅蓮の炎のように列島に渦巻いていた。道を行けば角ごとに自分を探している人がいた。『わたしを見かけませんでしたか?』(ハヤカワepi文庫)という本が出たのもその頃だったか。あるいは会社を辞め、あるいは大学をドロップアウトし、大工に弟子入りしたり、果樹園に働きに出たり、なんだか... 続きを読む