さみしいけれど、僕は問題ありません

RC100

2014/2/27

僕は問題ありません

ハード : Windows/Mac/iPhone/iPad/Android/Reader 発売元 : 講談社
ジャンル:コミック 購入元:紀伊國屋書店Kinoppy
著者名:宮崎夏次系 価格:540円

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 すこし変わった日常に文学的ファンタジーをプラスする、漫画家・宮崎夏次系が贈る8つの短編集。

 心配性のおじいちゃんに家に閉じ込められる少女、夜な夜な人形たちに話しかけて心を癒すお父さん、たった2人しか住まないマンション内でストーカーする男、麻薬で逮捕された家庭教師に恋する女子高生…『僕は問題ありません』には、そんなちょっと変わった登場人物たちが出てくる。

 共通項としては、みんな何かの「さみしさ」を抱えて生きている。『はねる』という短編では、主人公が、あるだらしない風体の男を車ではねてしまう。だが、その被害者が「ログデナシ」だったという理由からすぐに主人公は釈放される。死んでも構わないような男だったというわけだ。男の妹に謝りにいくも、兄がいなくなってほっとしているとまで言われてしまった。主人公はそれでも罪悪感から、轢いてしまった男のことを考え続け、ある日、男の悲しい秘密を知ることになる…。

 登場人物たちがそれぞれのさみしさを共鳴させることで、奇妙で小さなドラマが生まれる。読者はそんなところにホロリときたり、唸ったり、くすっときたりもする。日常の異変にも飄々と対応する人物たちや、ふわっとした絵のタッチが現実をおぼろげにして、幻想文学を思わせる。ひとりのときに読みたい、心が洗われる作品。


謎の塔に住む少女を追いかける少年…(『線路と家』より)

真夜中、眠れないお父さんの苦悩はどこに向かう?(『朝とバス停』より)

加害者と、被害者家族の奇妙な関係がはじまる。(『はねる』より)

突然のプロポーズから始まる訳アリ生活。(『地図から』より)