モテないと自虐する人は、実は自意識こじらせ系かも?

小説・エッセイ

更新日:2014/3/7

くすぶれ!モテない系

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : ブックマン社
ジャンル:趣味・実用・カルチャー 購入元:BookLive!
著者名:能町みね子 価格:907円

※最新の価格はストアでご確認ください。

 モテ系と非モテ系の違いって、いったいなんだと思います?

 筆者は恋愛系のWebメディアで、モテにつながるあの手この手の心理テクニックを発信させていただいているのですが、常々モテと非モテの境目は、“モテスキルを自ら放棄したか否か”だけのような気がしていました。もって生まれたルックスはさておきまして、モテスキルを上げるためには、異性の心をくすぐる工夫や努力や方略が必要で、なによりカギを握るのは、相手の心を察する力。でもって、それらをすべてクリアするのは相当パワーがいりますし、モテテクニックがめんどうな人には、しんどいのではないかと思われます。。

advertisement

 エッセイストの能町みね子さんも、「どうやったらモテるか分かっているけど、めんどくさい自意識に阻まれて、モテ行動が絶対にできない人」を、「モテない系」と定義しています。鋭く核心を突きまくるみね子さんがカテゴライズしたモテない系女子の横顔を、少しだけのぞいてみましょう。

 まずざっくりジャンル分けすると、女子も男子も「モテ系」「モテない系」「圏外」の3つに分かれるとのこと。

 ほかの2群や男子については本書をお読みいただくとして、「モテない系」女子の方々は、自分でモテないという明確な自覚があり、しかし「私はこれでいいのだ」という開き直りとプライドをもっている。あからさまに男ウケする服は選ばないけれど、外見にはある程度の気を使っている。頭の中はモテ子に憧れたり逆に見下したりとぐるぐる忙しく、片隅には「いつかステキ男子と巡り会うはず!」なんて妄想も秘めているなど、その内面は非常に複雑怪奇です。自意識過剰がこじれて、えも言われぬモテないオーラが、モワりとにじみ出てしまうのでしょうか。

 興味深かったのは、「負け犬」と「モテない系」の似て非なる箇所の検討です。

【負け犬】仕事>恋愛≧趣味(ただしお金のかかるもの)
【モテない系】趣味(いわば自分のスタイル)>恋愛≧仕事

 負け犬は仕事がとても大事な人たちで、見た目もしっかり、仕事もしっかり、趣味もしっかりなのですが、哀しいかなその完璧さこそが結婚から遠ざかってしまう敗因に。「結婚してなさそう」だけれど「モテなさそうだ」とは感じさせません。

 一方のモテない系は、世間と少しズレていようがいまいが、自分の趣味やいいなと思うスタイルが最優先。恋愛はそれなりに、結婚はま、どっちでもいいか、仕事だって絶対に続けたいわけじゃないしな~、、ということで上記の式ができあがるとのことでした。結婚にも働くことにも執着しないゴールが見えづらい生き方だけに、みね子さんも彼女たちの行く末を案じているのですが、案外新しい選択肢なのかもしれません。

  なにより、自覚しつつもくすぶり続けることこそが「モテない系」の真骨頂のような気もしてきます。非生産的だって、別にいいじゃない。最終的には、なにごとも自分しだい。ということで、この本、あーだこーだとねずみ色の愚痴をぶちまけ合うような女子会気分で、さらりとお楽しみくださいませ。


100%モテないわけじゃないし、彼氏やダンナがいることもあるけれど「モテないオーラ」がムンムンしている。それがザッツ「モテない系女子」

モテ系の要素で大切なのは、実は外見よりも内面です。異性に対してほめたり甘えたりが自在にできる、策略モテ子ちゃんが代表例

モテ人口ピラミッドと、男女双方の狙いを示した図。モテない系は、男子の「恋愛対象に入ってない」のが切ないですね

先輩世代の「負け犬」は、仕事軸が基盤にあるので、収入的には大きな不安がありません。一方の「モテない系」の基盤は、なにやら根拠のない自分流スタイル。その未来は、もはや前人未到といえるでしょう