「刃牙・外伝」はプロレスファンのための最強ファンタジー!

公開日:2011/10/16

グラップラー刃牙 外伝

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : 秋田書店
ジャンル:コミック 購入元:eBookJapan
著者名:板垣恵介 価格:432円

※最新の価格はストアでご確認ください。

週刊少年チャンピオン誌上に於いて、「グラップラー刃牙」「バキ」「範馬刃牙」とタイトルを変えながら20年近く連載の続く、格闘系マンガ珠玉の名作。

この”グラップラー刃牙 外伝”は、本編最初のハイライトである”最大トーナメント篇”の直後に描かれた、史上最強のファンタジー。個人的には刃牙シリーズの中で最も好きなスピンオフエピソード。地下闘技場の戦士であり、もちろん最高峰のプロレスラーでもあった2名、アントニオ猪狩・マウント斗羽による最初で最後の一騎打ちが、全てのプロレスファンの思い入れたっぷりに表現されている。

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この篇の主役、猪狩と斗羽のモデルは、間違いなくアントニオ猪木とジャイアント馬場。
現実世界では前座時代以降決して実現せず、馬場さんの死を以て本当に”幻”と化してしまったカード。だからこそ、このエピソードを読むと本当に泣けてくる。胸が一杯になる。

無人の東京ドームで、誰に知られることなく闘おうとする2人。しかしプロレスファンはそれを許さず、皆が続々と東京ドームに押し掛ける。勤続35年・無遅刻無欠勤のサラリーマンは午後の会議をぶっちぎって。すっかり準備の出来た手術室で、まさにこれからにオペを行う筈だった外科医は謝り叫びながらそれをキャンセルして。通常であれば信じられない設定だが、僕はコレを軽く肯定できる。もし同様のシチュエーションで猪木vs馬場が行われていたら、僕も間違いなくすべてを投げ打って会場に駆けつけるはず。たとえそれが肉親や愛する人の死に目であっても、だ。

この作品は、ジャイアント馬場さん亡き後、それを追悼するかの如く発表されたもの。
文字通り大きな存在を失ってしまった当時の僕が、どれだけこの作品に救われたか・・・。

プロレス・格闘技ファンにはもちろん超オススメ。そして、昭和からのプロレスファンであるのなら、必ず読んでおかねばならない”聖書”のような本。
史上最強のファンタジー、心して読むべし!


今回の画像は全てiPad横表示、猪狩と斗羽の試合を知り、東京ドームに押しかけるプロレスファン!

見開きを大胆に使用し、斗羽の巨大さ・雄大さ表現した一コマ、横向きになるのが正しい配置

猪狩必殺のナックルアロー、あまりにリアルで強烈な描写

“プロレスラーは技を逃げちゃいけない!!!”は、名言中の名言である

リング中央で完璧に決まった卍固め、猪狩は拳を突き上げて勝利を確信!

しかし、この闘いで最後に繰り出されたのは斗羽の16文キック!

ファンタジーにふさわしく、最後は涙が出そうになるほどのハッピーエンド (C)板垣恵介/秋田書店