恐るべきリアリズム。2000年代最大のライブドア事件の真相が明らかに
更新日:2018/5/15
これはフィクションなのか?ノンフィクションなのか?
東大卒学生のITベンチャーを上場させ、プロ野球参入・巨大メディアグループ買収を企て、選挙戦出馬、そして証券取引法違反容疑の家宅捜索が生中継されるなど、2000年代最大のニュースを生み出した、ヒルズ族代表ホリエモンこと堀江貴文氏の自伝的小説。
僕は拝金主義者ではない。むしろ金に汚い人を毛嫌いする。その一方でビジネスの成功者には強烈に惹かれてしまう。特にあの事件は、IT業界のサクセスストーリーと芸能界の華々しさと、金をめぐる黒い争いの匂いがしてずっと気になっていた。真相は何だったのか? 黒幕がいたのか?
物語は、目標もなく日々暮らしているフリーター藤田優作が、謎のオッサン・堀井健史と出会うところから始まる。オッサンは天使か悪魔か? 優作はゲームのコマなのか、ゲームの主催者なのか? そんな疑問を抱きながら、次々に巻き起こる事件の数々に息もつけずに読み進められた。
「そうだ、欲だよ。欲望が金の価値を定める。そしてそれは人によってケース・バイ・ケースなんだ。本来、金はその欲望を満たすための手段でしかないんだよ」オッサンが優作に言う。
そして結末。オッサンにとっての欲望が何かの謎解きがあり、虚しさと共に等身大で生きている登場人物への親しみさえ感じられた。
事件には黒幕がいたというストーリーだが、それが真相かどうかは読んだ後も正直わからない。でもそれ以上に、実体験に基づくストーリーはテレビで見る芸能ニュースよりもドラマチックで、裏のウラまである展開は興奮モノだった。
「君はどのくらいの金持ちになりたい?」と言われたら、あなたは何と答えるだろうか?
主人公がゲームに乗った冒頭シーン。「君はどのくらいの金持ちになりたい?」と問われたら、「金で買えないものはない、そう言えるくらい」と言えますか?
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