サブカルの入り口が、ネットではなかった時代の物語

2014/3/24

同人少女JB / 1

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : 双葉社
ジャンル:コミック 購入元:BOOK☆WALKER
著者名:一本木蛮 価格:525円

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 この作品を手にしたとき、絵柄もさることながら「表紙の女の子はラムちゃんのコスプレをしているし、同人少女っていうタイトルなんだから80年代のサブカルとかがテーマだろうな」と思いました。まあ実際そうだったのですが、それが共通言語として通用するのか?と考え出すと心もとないのですよ。

 本編の主人公、藪木珠里(やぶきじゅり)さんの年齢設定は17歳。女子高生ですね。そして現代の高校生って平成2桁生まれなんですよね。この、生まれたときから携帯のある生活をしている人たちに、「今度、500円硬貨が出るんだってさ」という時代の感覚が伝わるのだろうか。そんなことを考えながら読み進めました。

 物語は、アニメ誌などに投稿するのが趣味(今でいうはがき職人ですね)の珠里さんが、コミケに行ったり、コスプレしたり、と深みにはまっていく姿を描いています。ただし、すべては80年代のこと。コスプレするのだって、好きなキャラ名で検索してポチッと衣装を買ってさあ会場へ、なんて簡単にはいきません。自分で型を取って、平面と立体の狭間で苦しんで、試行錯誤を重ねて完成を目指すのです。縁があって同人誌を作ることになった他校の男の子と打ち合わせをするときも、基本は顔を合わせる。電話は家の黒電話。そういう世界なのです。

 しかし、何より違うなと思ったのは珠里さんの学校にも、後に関わることになる副田くんの学校にも漫研があるということ。高校で漫研。今はレアなケースじゃないかと思います。しかし、これはファンタジーな設定だとは思いません。実は、私の通っていた高校にはありました。そして私が卒業した翌年に休部となったそうです。それが95年頃のこと。PHSとか携帯電話がどかっと増え出す時期と重なります。今のネットにあるような熱気が、学校の部活動に注がれていた時代なんだと思って読むと、ジューベイたちの心情がすっと入ってくるような気がします。


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