オンナ版半沢直樹!? 銀行員役の杏が主演で池井戸作品が再びドラマ化!

小説・エッセイ

2014/3/27

新装版 不祥事

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : 講談社
ジャンル: 購入元:BookLive!
著者名:池井戸潤 価格:751円

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 池井戸作品と言えば、組織の理論に振り回されない毅然とした主人公が登場して快刀乱麻の活躍で周囲の陰謀に打ち勝つ、というストーリーが思い浮かぶし、ドラマ『半沢直樹』以降はそれを期待している読者も多いことでしょう。しかし、女性と言えば、添え物的なキャラクターばかりなんじゃないかと思っていました―—この作品を読むまでは。

 主人公、花咲舞は東京第一銀行の臨店係。窓口の女性たちに事務仕事を教えるのが主な業務です。しかし、赴いた先々の支店でバッタバッタと敵を投げ飛ばし、いや、実際に投げ飛ばしたりはしませんが、そんな勢いで誤払いや横領、顧客データの紛失といったトラブルを解決していく。おっさんの嫉妬や逆恨みは怖いもので、そんな花咲の行く手には罠もある。でも、持ち前の負けん気と能力の高さで、結果的には返り討ちにしてしまうのです。結果的には、というのは、花咲のほうには仕返ししようなどという意図はみじんもないので。しかし、えげつないほどのアホにはつい手も出てしまいます。そんな一本気から、ついたあだ名が狂咲…。

 ふた昔ほど前なら江角マキコ、ひと昔前なら米倉涼子、5年ほど前なら篠原涼子が演じたような役柄といえば、わかりやすいかもしれません。今回ドラマ化されるに当たっては杏ちゃんが演じるとのこと。楽しみですね(また、本作では花咲も含め3人以上もの相手から殴られる、心底どうしようもないアホぼんが登場、その役をどんなタレントさんが演じるのかも、大変楽しみです)。

 1話ごとに新しいエピソードになる章立てで、非常に読みやすく、池井戸印の爽快感と、銀行の裏もわかるリアルなディテール。日頃、組織のゴタゴタに頭を抱えている方に、ぜひ読んですっきりしていただきたいです。


半沢ですら金融庁調査官には何も言い返していなかったが、花咲は…さらにこのあとの場面では、もっと決定的なことも言っちゃいます

名言も出ます。ところでこの作品、女性が主人公の経済小説ということで「日経ウーマン」あたりが初出かと思ったら、四六版は実業之日本社から出ていたのですね
(C)池井戸潤/講談社