『娚の一生』が熱い今だからこそ読み返したいフケ専少女マンガの名作

2011/9/23

純情クレイジーフルーツ (前編)

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 :
ジャンル:コミック 購入元:eBookJapan
著者名:松苗あけみ 価格:324円

※最新の価格はストアでご確認ください。

「ぶ~け」という雑誌が大好きでした。もはや別マでは幼すぎて、だけど少女マンガは読みたくて…という女子の需要にしっかりと応えながらも、大人っぽくやや斜に構えた作品群が往時は何よりおしゃれであったのです。とうに休刊してしまいましたが。
  
そんな「ぶ~け」の看板作家と言えば吉野朔実先生と、こちらの松苗あけみ先生でありました。師匠・一条ゆかり先生に勝るとも劣らない華やかな画風と、少女マンガの枠を超えたギャグセンス。『純情クレイジーフルーツ』は、そんな松苗先生の出世作にして大ヒット作であります。

舞台は三流女子高・丸ノ内学園。実子、桃苗、沢渡、みよちゃんの仲良し4人組を中心に、花咲ける女子高生たちの楽しくて、アホらしくて、ちょっと切ない日々を描きます。本作の通奏低音となるのは、やや老け顔で一重まぶたが印象的な吉原実子の恋。担任・小田島先生に想いを寄せ続けるのですが、クールな先生はそれを鮮やかにかわし続けます。
  
小田島先生はいい家のボンボンで、作家で、タレントで、インテリジェンスにあふれたナイスミドル(死語)。そういえば最近そんなキャラクターを見た…と思ったあなた。それはおそらく西炯子先生の『娚の一生』に登場する、海江田教授ではないでしょうか。教師との恋、というジャンルにおいて、飽くまでも「お兄さん」的なキャラクターが多かった中、この小田島先生の造形は画期的だったように記憶しています。
  
少女たちはそれぞれが抱える劣等感を、時にけなし合い、時に笑い合い、時に励まし合いながら、日々を楽しく過ごして行きます。今日でも褪せることのないギャグのセンスと、高精度のディスプレイでこそ映える松苗先生の華麗な描線(なんとカラー原稿まで再現!)。はたして実子の恋は実るのでしょうか? 番外編まで続く、長い長い4人の学園生活の軌跡を、どうぞご堪能ください。

単行本未収録だったカラー原稿も電子版ではしっかり掲載。印刷となるとモノクロとカラーでコストに大きな違いが生じるが、電子書籍なら一切なし。おかげでこうして幻のカラー原稿にもめぐり合える

実質的な主人公・吉原実子と小田島先生。最初から実子はグイグイと迫るのだが…

小田島はなかなかなびかず、大人のウィットでかわしていく

仲良し4人組の1人・桃苗。お菓子が大好きで、ちょっと太め。成績優秀だがお人好しでいつもソンな役回りに…

仲良し4人組の1人・沢渡くん。背が高くボーイッシュなスタイルゆえ、みなからは「くん」付けで親しまれている。隠れた特技は陸上。しかし実は手芸が好き

仲良し4人組の1人・みよちゃん。4人組髄一のモテ力を誇る女王様キャラ。決して性格は良くはないが、情に厚い一面も

名脇役の学級委員・梅本。くそ真面目でいちいち面倒くさい。のちに1人の男性をめぐって実子と三角関係に (C)松苗あけみ