映画化でも話題の王道ミステリにしてアンチ・ミステリ!

小説・エッセイ

2010/11/21

インシテミル

ハード : iPad 発売元 : Bungeishunju Ltd.
ジャンル: 購入元:AppStore
著者名: 価格:600円

※最新の価格はストアでご確認ください。

「ミステリはお好きですか」 できれば、ハルコさん((C)SLAM DUNK)風に可憐に訊いてほしい。 「大好きです、ヲタクですから!」と握りこぶしで答えよう。
いや、別にこの本が、ヲタクのひとじゃなきゃ、受け入れられない本ではないのです。むしろミステリマニアへの愛憎が入り混じった仕上がりで、マニアの人はニヤニヤ&ズクズクと、そうでない人は、とんでもねぇことが起きてんな!と楽しめるつくりです。

この11月、藤原竜也主演で映画化公開しているので知っている人も多いかもしれませんが、あらすじをご紹介。
時給11万2千円の超高額バイト。それが、ある人文科学的な実験のモニターとなることで得られるという。さまざまな理由で応募した12人の男女は、謎の施設〈暗鬼館〉で7日間隔離され、やがて殺人ゲームを強いられることに。女にモテたい→車が必要→お金がほしい一心でモニターとなった学生、結城理久彦(ゆうきりくひこ)は、1週間を生き抜くことができるのか?
まず〈暗鬼館〉の造詣に大興奮! さまざまなバリエーションで提示される殺害方法、東西の名作古典ミステリの思わせぶりな引用、一人、また一人と増えていく被害者、そして限定された空間での推理合戦…ミステリのガジェットをてんこもりにした、この恐るべき悪趣味な状況に、人間の理性はどこまで対応しうるのか。
ミステリのもつ知的遊戯としての面白さを最大限に引き出すと同時に、そのいやらしさも衝いてくるアンチ・ミステリ。古今東西のミステリに通じた著者だからこそできる、遊び心に富みつつ野心的な作品といえます。
ところで、本文に「空気の読めないミステリ読み」という言葉が出てきます。これを読むとミステリヲタクはアホだなあと思われるかもですが、それなりに空気読もうと必死なんですよ。ねえ?

これが〈暗鬼館〉だ!

〈殴殺〉。ほかに〈毒殺〉や〈銃殺〉、〈刺殺〉〈絞殺〉〈圧殺〉など多彩なパターンを愉しめます

各自に与えられた凶器につけられた説明書