「渋谷サーガ」第3弾! NEWS・加藤シゲアキが描き出す人生の意味とは?

小説・エッセイ

2014/4/8

Burn.‐バーン‐

ハード : PC/Android 発売元 : KADOKAWA / 角川書店
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:BOOK☆WALKER
著者名:加藤シゲアキ 価格:1,365円

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 不完全燃焼な人生は送りたくない。燃え盛る焚き火のように限られた人生の中で精一杯その炎を燃やし続けたい。そう思うのは、私たちばかりでなく、アイドルも同じなのかもしれない。NEWS・加藤シゲアキによる3作目の小説『Burn. -バーン-』は私たちに人生の意味や絆、愛について考えさせる。「渋谷サーガ」シリーズ第3弾の熱情溢れる青春小説は話題沸騰中で、多くの者の感動を誘っている。

 主人公はかつて天才子役と称された夏川レイジ。20年が経った現在は、舞台劇作家として活躍する彼は子ども時代の記憶を失ってしまっていた。ある日、ふとしたことがきっかけでレイジは彼の過去を知るローズと再会を果たす。ローズの口から漏れる、徳さんという懐かしい名前。レイジは何かに導かれるように次第に取り戻していく記憶の断片を書き留めていく。手品の得意なホームレス・徳さん。気さくなドラッグクイーン・ローズ。渋谷・宮下公園で巡り逢った家族同然の2人との思い出をなぜレイジは忘れてしまったのか? レイジはこれからどこへと向かうのだろうか。

 20年前、天才子役として活躍していたレイジは「そもそも自分というものがなかった」「ハードウェアの自分に“役”というソフトをインストールして取り込めば済んでしまう」ほど、さめきっていた。働く意味もわからず、学校ではイジメられる毎日の中で出会ったのが、徳さんとローズだったのだ。

 少年レイジは彼らと過ごす中でしだいに表情を取り戻していく。台風が去った後の徳さんと一緒に徳さんの家をトンカチで直したり、ローズの勤める渋谷のJANISというオカマクラブを訪れたり、店で暴れた客を徳さんの手品で追い出したり…。そんな日々を過ごしているうちにレイジは腹を抱えて笑えるようになった。「レイジよぉ、人の魂の重さを知ってるか?」「魂を燃やせよ」徳さんの言葉や態度はどれをとってもちょっぴり臭い。だが、徳さんという少し汗臭い、カネに汚いホームレスはレイジにとっては立派なヒーロー。まさかあんな形で徳さんとの別れが訪れるなどと誰が予想できただろうか。

 魂を燃やして生きるということ。「家族」とのつながり。絆。レイジは過去を思い出す中で何かを取り戻していく。心揺さぶられるこの青春小説は、世代を問わず読むべき1冊だ。


授賞式の帰りに交通事故に遭ってしまう舞台演出家のレイジと妻

それをきっかけとしてローズとの再会を果たし、過去を思い出していくレイジ

徳さんの手品の腕は素晴らしい。徳さんとの記憶は楽しい記憶ばかりだ

徳さんとの日々をレイジは次第に思い出していく