人を好きになりすぎるってなんでこんなに辛いんだ! これぞ恋愛小説の底力!!
更新日:2012/1/20
恋愛小説というジャンルを超えて、単純に小説としてものすごくおもしろかった!!
失恋によって普通に生活できないレベルになったことがある人って、実は結構いるはず。主人公の水無月も、人を愛しすぎてしまうことで不幸になってしまう女。だから水無月は「他人を愛し過ぎないように。他人を愛するぐらいなら、自分自身を愛するように」と願います。それでも誰かをものすごく愛してしまう・・・だってこれは“中毒”だから。
恋愛小説とひとくくりに言っても色々な種類があるけれど、これはものすごく力強い、どしーんとした方の恋愛小説。だからこそ、ものすごく読み応えがある。タイトルから「ちょっと切ない恋愛小説なのかな?」と思って読んでいたので、この力強さとクライマックスの持って行き方に驚きもさらに倍でした。
登場人物たちの恋人に対する執着心も、なんだか共感しっぱなし。「何で! 私何かした!? お願い!! 見捨てないで!!」というね…あー、心が痛い。
かなり目が離せない展開でしたが、iPhoneって手が疲れたってのがなくずーっと読めていられるので、物語にさらに集中できて良かったです。
共感できる恋愛小説として、ストーリー重視の読み物として、どちらの観点からでも読める傑作です。
小説の冒頭「恋は人を壊す」。まさにこの小説の最大のテーマ
主人公の「どうか他人を愛しすぎないように」という語りは胸に来ます