昼寝パワーで世界を救う!?-伝説の勇者の伝説シリーズ

ライトノベル

更新日:2011/10/16

伝説の勇者の伝説(1)

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : KADOKAWA / 富士見書房
ジャンル:コミック 購入元:BOOK☆WALKER
著者名:長蔵ヒロコ 価格:450円

※最新の価格はストアでご確認ください。

■伝説の勇者の伝説シリーズ(長編第一部 全11巻)/鏡 貴也/富士見書房

例えば西洋の中世ファンタジーRPGファンなら、きっと親しみ深い「伝説の勇者」という言葉。
本作は、特殊な能力を持つ魔法使いの主人公や周辺キャラクターたちが、剣や魔法が入り乱れる舞台を、世界平和のために「伝説の勇者の遺物」を探して旅する、冒険ファンタジーです。

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なんとも壮大な世界の冒険譚で、さまざまなキャラクターが登場しますが、ギャグありシリアスありのストーリーで、ファンから高い人気を得ています。『スレイヤーズ』や『魔術士オーフェン』など、富士見ファンタジア文庫の世界観が好きな読者なら必読でしょう。

主人公は、いわゆる「やればできる子」タイプ。特殊な能力者でありながら、いつも無気力で、寝ることしか考えていない。趣味はやはりというか、昼寝。
ところが、まわりのできる子たちがやきもきする日常と打って変わって、ここぞというときに大活躍するさまには、さすがラノベという高揚感を覚えます。読者の期待を裏切りません。

それはそうと、「昼寝」という言葉に、なんだかぐうたらでネガティブなイメージを持っていませんか? 古来、勤勉な気質の日本には、「不眠は美徳」という価値観が根付いている、という意見があるようです。

ところが、教育の世界では、一部で「昼寝」における価値観が肯定的に変わりつつあります。
例えば、スペインでは、昼食を取ったあとに昼寝(など)をしようという「シエスタ」という習慣がありますが、日本でも研究結果で、昼寝をすると脳が活性化する、それ以降の集中力や記憶力を高め、仕事や勉強などを効率化する、などとされ、実際に昼寝の時間を確保する学校もあります。

それは、例えば、福岡県立明善高等学校です。同校は久留米大学との協力で、試験的に昼寝の時間を導入。昼休み45分間の最後の15分間を「午睡タイム」とし、睡眠が取りやすいようにクラシック音楽を流すなどしたもので、この取り組みで大学進学実績が上がったとされています。

本作の主人公も、いざというときに、集中力などを必要とする魔法で苦境を突破します。
昼寝の効果にのっとった、合理的な行動仕様だといえるのかも…?


ザ・魔法バトル!

「今日“も”眠いんだよ」「言いなおすな!」…主人公との会話で

笑いあり…

「人が死ぬのは嫌いだ」…シリアスあり。しめるところはしっかりとしめるのは、さすが。文字の大きさを変更できるのも、電子書籍の便利なところですね