新婚ノロケも芸に昇華! 愛すべきオタク夫と安野モヨコの“豪腕”
更新日:2012/12/26
監督不行届
ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android | 発売元 : 祥伝社 |
ジャンル:コミック | 購入元:eBookJapan |
著者名:安野モヨコ | 価格:500円 |
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「こないだうちの彼氏がね~」
恋人(もしくは伴侶)の話は多かれ少なかれノロケになってしまうもの。DVや不倫なんかは別として、日常の愚痴は「ヤマなしオチなし意味なし」な感じで、まあ大概ノロケの範疇ですよね。 ただし、それはあくまで普通のカップルの場合。
90年代後半に『ハッピーマニア』で少女マンガの枠をグググッと押し広げ、『働きマン』で男性読者の共感を読んだ安野モヨコの手にかかれば、ノロケも立派なギャグマンガに生まれ変わります。さらに結婚相手が誰もがその名を知る『新世紀エヴァンゲリオン』の監督と来た日には! そりゃ新婚ライフ=ネタ満載の宝箱ですから!
今や周知の事実ですが、「カントクくん」こと庵野秀明は相当のオタクキャラ。いえ、キャラというか、骨の髄までオタクな大人です。家で一人のときは鏡の前でミラーマンごっこ、ドライブのBGMはアニソン限定、ストローの袋をねじって額にピッとつけて仮面ライダーごっこ…と、とても成人男性とは思えない無邪気な言動は枚挙にいとまなし。
オタトークがかなりディープなので、人によっては意味不明な固有名詞が続出しますが、用語解説で確認するのもお楽しみのひとつ。iPhoneなら本編に「しおり」をつけて巻末に飛べば、解説を読んだ後でもひとっ飛びで続きを楽しめます。この夫婦、役割分担するなら間違いなく妻がツッコミで夫がボケ(しかも天然)。結婚式の準備や家購入の話など、新婚ならではのネタも多いのですが、「重度のオタク夫を一番近くで見守る妻の観察日記」というのが一番しっくり来るかも。と見せかけて、巻末のインタビューでは庵野秀明が妻への愛をたっぷり語っております。本編のおバカなカントクくんを見てゲラゲラ笑ったあとに、こんなキリッとした男前発言をされた日には「カントクくん、いい男じゃん…!」とギャップに萌えてしまうのは私だけではないはず。
08年から一部連載を除いて休業中の安野モヨコ。 復帰が待ち遠しいあなた、ヤマもオチもあるオタクカップルの新婚ライフをもう一度のぞいてみては?
各話のタイトルにも注目。黒バックに太い明朝体の文字を配するスタイルは、庵野監督のアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』が原典。こんなところでも夫婦合作
ウェディングドレスを試着する嫁に「クリオネみたい」。フツーの男にこの発想はありません!
監督が手に持っている「イデオン」って何? 疑問に思ったところには「しおり」をつけて…
巻末の用語解説へ。夫婦の会話があまりにディープすぎるため、一般人はここを読まないと(多分)ついていけません!
目的の用語を見つけたら、画面をタップしてズーム
再び画面を軽く長押しして、「しおり」の「ページに飛ぶ」の項目をタップ。これで本編に戻れます
「のこりの一生かけておたく教育をほどこし」と宣言する監督。これもプロポーズの変形版?(C)安野モヨコ/祥伝社