鈴木おさむが語る「イタくていい」の意味とは?

小説・エッセイ

2014/4/19

テレビのなみだ 仕事に悩めるあなたへの77話

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : 朝日新聞出版
ジャンル:趣味・実用・カルチャー 購入元:BookLive!
著者名:鈴木おさむ 価格:823円

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 先日、半年に一度のテレビ改変期に伴い、私が好きで観ていたお気に入りの番組のひとつ『ガールズトーク 薔薇組』が最終回を迎えました。若い女性向けに作られている番組ではありましたが、何とも言えないシュールな内容に「最近の番組にしては面白いなぁ」と思っていたのでした。その番組の演出と脚本をつとめていたのが本書の著者で放送作家の鈴木おさむ氏なのです。

 10年ほど前に放送作家を目指していた時期に彼の存在を知ったのですが、当時から鈴木氏がテレビ界の第一線で活躍している放送作家だったことを知っていただけあって、本書はとても読みごたえのある1冊でした。

 なぜかというと本書で鈴木氏は「放送作家」という仕事を通して学んだどの仕事にも共通するような仕事術を惜しげもなく書いてくれているからです。中でも興味深いのが「イタくていいのだ」の項目。ここで彼は自分が放送作家の世界に入るキッカケとなった“とてもイタいエピソード”を紹介しているのですが、共感できるほど、人生にはあえてイタい方がいい時もあると思わせてくれるのです。

 本書は基本的には、鈴木氏が体験したオモシロエピソードと伝えたいことが書かれているのですが、最後にはとてもシリアスなタイトルの“テレビのなみだ”に繋がるようなエピソードが記されています。

 テレビ番組の構成だけでなく、映画の脚本を書けば時々出演し、森三中の大島美幸と結婚して夫婦でCMに出演したかと思えば、最近では自分の体に「美幸」の刺青を入れたことも話題になったように…散々オモシロエピソードを書いた後に読者を感動させて締めくくる内容からも言えるように、鈴木氏が何事にも「振り幅」を効かせることを大切にしているのが伝わってきます。「振り幅」の効いた1冊、ぜひ一度読んでみてはいかがでしょうか。

□構成 5
□文章・表現 4.5
□実用性 4
□後半急に感動させられる度 5
□ふんわりニュービーズ思い出し度 5