出版社がついに擬人化! 業界ネタをかわいく描いた4コマギャグマンガ

公開日:2014/4/24

飯田橋のふたばちゃん / 1

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : 双葉社
ジャンル:コミック 購入元:BOOK☆WALKER
著者名:横山了一 価格:525円

※最新の価格はストアでご確認ください。

 『艦隊これくしょん』は言わずもがな、本作も最近よく耳にする擬人化ものです。主人公のふたばちゃんは、『クレヨンしんちゃん』で有名な双葉社。その他、御三家の「講談ちゃん」、「小学ちゃん」、「集英ちゃん」はもちろん、ヤンキーな「秋田ちゃん」や「画報ちゃん」。そして、どう見ても堅気じゃない「日文ちゃん」や、お嬢様な「白泉ちゃん」などなど、擬人化された出版社娘の4コママンガです。

 正統派の4コマというべきか、『けいおん!』のような物語性はなく、特定の時間軸も存在しません。各出版社のいい点、悪い点、エピソードなどを掘り起こしつつ、4コマ目でちゃんとオチをつける作りになっています。

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 ギャグマンガだし、やや風刺的でもあるので、これをおもしろいと感じるかどうかは読み手次第になるのですが、「ネタとしてはおもしろいのに、伝わらない…」という残念なマンガではないです。原作と作画で製作を分担しているからなのか、とても読みやすいです。

 ネタも有名な話から、なんのことを描いているのかちょっとわからないものまで幅が広い。この辺のさじ加減がうまいなと思いました。知っている話ばかりでは「この程度で漫画にされてもねぇ」と思ってしまうし、逆に聞いたこともない話では興味もわかない。また、ふだん読む本やマンガの傾向によっても、知っているネタは変わってくるでしょう。浅い深いとは別に、幅が広いというのは本作の強みです。

 日本文芸社と白泉社のネタを同じ紙面でしれっと扱える。片方しか知らない人にも、このマンガを通して「全部はわからないけど、たぶんこんな感じなんだろうな」と思わせる力がある。マンガが好きな人なら、別にマンガ博士みたいに詳しくなくても、どこかしらに入り口のある作品です。


中心メンバー。後にどんどん増えていきます

本編の間に、出張版も収録されています

どこかで見たようなキャラクターも…

ちなみに、双葉社は新宿区ですが最寄り駅は飯田橋のようです