「ジャンプSQ」連載中の人気コミックが実写化! 挫折を乗り越え、サッカーに全力を注げ!

更新日:2015/9/29

1/11 じゅういちぶんのいち 1

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : 集英社
ジャンル:コミック 購入元:BookLive!
著者名:中村尚儁 価格:400円

※最新の価格はストアでご確認ください。

 体長1mm程しかないノミは最大で40cmも跳躍することができるというが、狭い箱などに数日閉じ込めておくと、途端に1cmも飛ぶことができなくなってしまうという。これと同じことが人間においても起きている気がしてならない。環境に左右されて、自分の限界を勝手に作ってはいないだろうか。本当はもっと高く飛べるはずなのに、自らの能力を発揮できなくなってしまうなど、なんてもったいないことだろう。壁など自分が作ってはならない。どこまでも高く飛ぼうと思わなくてはならないのだ。

 中村尚儁氏著『じゅういちぶんのいち』はサッカーをテーマとした青春マンガだ。一度はサッカーを諦めたはずの主人公を中心に、周辺人物の人間模様を描く連作マンガは累計60万部を売り上げた、話題作。2014年4月からは池岡亮介主演で映画も公開されている。登場人物たちが新しい自分になろうとあがく姿に思わず目頭が熱くなる。なりたい自分になるにはどうしたら良いのだろうか。

advertisement

 主人公は中学3年生の安藤ソラ。彼は幼い頃からサッカーを続けてきたが、自分の才能に限界を感じたことから、中学卒業と共に辞めるつもりでいた。そんなある日、部の引退試合を控えていた彼の前に、女子日本サッカー代表・若宮四季が突然現れる。彼女のさまざまなアドバイスのおかげで、引退試合で勝利することができたソラ。しかし、引退試合からの帰宅後、彼女にまつわる衝撃の事実を知ることになり、彼はサッカーを続けることを決意する。ソラは、進学先の進学校・修学院高校でサッカー部を設立し盛り上げようと奮闘。そして、そんなソラの姿勢が、周囲の人物にも影響を与えていく。

 「チャンピオンズリーグで優勝し、世界で最強のチームの1/11になる」。四季に出会ってからのソラは別人に生まれ変わったように、サッカーに情熱を傾けていく。今までの彼はエースとして、自分の力だけでチームを盛り立てなくてはならないというプレッシャーに押しつぶされていた。自分の能力をいかに高めるかを考え過ぎた故に、「選ばれた天才しかプロにはなれない」と思い込み、サッカーを諦めようとしていた。だが、四季と出会ったことで、良いチームワークを築くことの大切さを学んでいく。サッカーはひとりで戦うスポーツではない。仲間との良好な関係がチームを勝利へと導くのだ。

 生まれ変わったソラはキラキラと輝いている。そのまっすぐな光に導かれるように、多くの仲間がサッカー部には集まっていく。容姿でしか評価されない自分に嫌気が差していた越川凜哉。かつて「お前にはセンスを感じない」とコーチに告げられたことでサッカーの道を諦め、演劇部に所属していた野村瞬。父親から部活動禁止と勉強への集中を命じられながらも、サッカー部のマネージャーとしてチームを支えている篠森仁菜。部活が活発ではない進学校であるのにも関わらず、ソラの勧誘によって、多くの仲間がサッカー部に加わっていく。彼らの前には今後、どんな困難が待ち受けているのだろうか。彼らは夢を叶えることができるのだろうか。今後の展開から目が離せない。


「サッカーはひとりでやるものじゃない」。大切なことを四季に教わったソラ(1巻)

高校に入っても、サッカーを続けることになり、仲間を集めようとする(1巻)

その思いが届き、プロ入り?(2巻)

サッカーで頑張った経験は、いろんな人の心を動かしていく(2巻)

一度はサッカーに挫折をした者も、ソラに背中を押されて、サッカーへと興味を持ち始める。挫折を乗り越えてこそ、人は強くなれる(3巻)