爆笑問題・太田光が最も嫉妬する人物は向田邦子だった!?

小説・エッセイ

2014/4/29

向田邦子の陽射し

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : 文藝春秋
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:BookLive!
著者名:太田光 価格:741円

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 テレビ朝日の『アメトーーク!』が今でも大変な人気番組となっていますが、あの番組の面白さは出演している芸人さんのテーマに対する「本当に好きなんだな」という気持ちが伝わってくるところにあると思います。そしてもしあの番組で「向田邦子芸人」の回をやるとしたら、筆頭は間違いなく本書の著者・太田光ということになるでしょう。向田邦子を知らない世代でありながらいつか知りたいと思っていた私にとって、好きなお笑い芸人のひとり太田光が彼女について熱く語った本書はまさにうってつけのものでした。

 この本を読んでいるとあと20年早く、つまり著者と同じ頃に生まれて彼女のドラマをリアルタイムで観たかったなと思わされます。なぜなら「子供の頃に彼女の作品に出会えてよかった」という気持ちが強く伝わってくる作品だからです。やはり成人してから観るのと子供の頃に観るのとでは吸収力が全然違います。

 また、太田光がいかに向田作品を愛し、彼女にいい意味で嫉妬しているということも伝わってきます。言いたいことをすべて口にしないと気が済まない自分に対して、向田邦子は言いたいことを言わなかった人だと彼は語っています。にも拘らず彼は向田作品に触れたことで多くのメッセージを受け取っている。そんな自分とは間逆の表現方法をあまりにも上手にできてしまっていた彼女だからこそ、太田光はただ好きになっただけじゃなく同じ表現者として羨ましくも思うことができたのだろう、そのようなことを感じました。

 太田光にとっての向田邦子は自分にとっての誰に当てはまるだろうか、そんな風に考えてみればこの本を読み終えた後でも長く楽しめることと思います。