『ライチ☆光クラブ』の作者が絶賛する恐怖・グロ・美が融合の禁断コミック

更新日:2016/1/8

神の子供

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : 太田出版
ジャンル:コミック 購入元:BookLive!
著者名:西岡兄妹 価格:540円

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 カルト的な人気を誇るコミック『ライチ☆光クラブ』の古屋兎丸が「西岡兄妹が描く少年の万能感は残酷で汚れてて狡猾で目を背けたくなる。それは最高に恐ろしく、最高に美しい」とまで絶賛する、恐ろしく、グロく、そして読者を惹きつけて止まない美を兼ね備えた禁断の書が、ついに電子版で登場。

 本作が『ライチ☆光クラブ』から多大な影響を受けていることは、一度でも『ライチ☆光クラブ』に触れてしまった読者ならわかるでしょう。主人公は社会と相容れない独特の倫理観・価値観と、悪に溺れる脆弱な少年たちを虜にするカリスマ性を生まれながらに持っています。主人公の復讐心を伴った暴力性は、少年たちに伝播し、猟奇的な異常事件が次々と起こっていきます。

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 物語は、一貫して、主人公の一人称で語られます。便器の中で生まれたときから自己に客観的で、世を蔑んでおり、選民意識のかたまりである主人公は、人の群れの中では“普通”を演じ、人から外れたところでは“異常”である自分をさらけ出します。
親に捨てられた少年の「汚辱にまみれた」尻の肉を切り取り、少年たちに「食えよ パンだよ」と分け与える場面に、「血と糞と精液の融合から新しいものが生まれる」という常軌を逸した主人公の異常性と無二の価値観が表されているのだと思います。

 フランツ・カフカの影響が指摘される兄のストーリーと、繊細なタッチで芸術的なまでに体温が排除された妹の作画が一体化し、“ただの殺人者ではない”主人公の壮絶な生から死までが衝撃的に描かれます。単なる勧善懲悪でも、唯美主義でも、虚無主義でもない、人が持つ闇の本性に語りかける禁忌的な魅力が詰まった本書。読んでしまったら最後。生涯、記憶から消すことはできないでしょう。


便器の中で生まれ落ちたわたし。ここから復讐が始まる

わたしが幼いときに初めて目にした、衝撃的な場面

凄惨な殺人が続く

少年たちのカリスマとして、美の象徴として君臨するわたし