めくるめく数学ワールドへの招待状。あなたはもっと数学が好きになる

小説・エッセイ

2010/12/5

数学ガール (数学ガールシリーズ 1)

ハード : 発売元 : ソフトバンククリエイティブ
ジャンル:IT・科学・医学 購入元:Amazon.co.jp/楽天ブックス
著者名:結城浩 価格:1,944円

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数学と聞いて何を思い浮かべますか?

理系大学院生の僕にとって数学は切っても切り離せないもの。物理学、化学、生物学の勉強に、必ずついて回るのが数学。何しろこの世界で起こる全ての事象を表現しようとしているのが数学なのですから。

そんな『数学』がタイトルについた本作品、しかもそれが小説だというのだから気にならないわけがありません。

この本は高校生の誰もが目にしたあの公式から、大学生にとっては超頻出のあの公式達が、なぜ生み出されたのか、どんな意味を持つのかということを教えてくれます。

日々数学を使い続ける僕からしても目からウロコの連続。特に〈sinx〉のお話から〈テイラー展開〉が導出された章では強烈な鳥肌が。

今まで何気無く使っていた〈テイラー展開〉がぐっと身近に、そして、それを生んだテイラーさんの声が聞こえた気がしました。

登場人物は「僕」と二人の女の子。 主人公「僕」に必死で質問を重ねる後輩テトラちゃんの姿を見て思い出したのは、僕自身がかつて先輩に自分の専攻する学問を一つ一つ教えられた日々のこと。

一人で読むとそっけなかった論文の式や言葉が、先輩の口から語られると魔法が掛けられたように生き生きとし、確かに自分のモノとなったことが思い出されました。 そして、勿論先輩のそんな姿に憧れを抱き、必死で質問を繰り返した過去の自分のことも。

数学の解や証明は長くなるので、書籍自体も重量のあるものになりがち(高校生のご用達チャート式がいかに分厚いことか)。 けれど今回は、初めて電子辞書を使ったときのような衝撃を覚えました。

まず大きな画面で証明式が見やすい。 次にどんなに丁寧に式の途中展開を書いても、書籍自体が分厚くなったり、重くなったりすることもない。だから、数学の本でも気兼ねなく持ち歩くことができる。もしかしたら、数学の教科書こそ電子書籍にするべきなのではとまで感じました。

数学の面白さも、そして電子書籍の未来像までも感じさせてくれる本作品。 一度手にとってみてはいかがでしょう?

章ごとに一つのテーマに沿って進行していく。1章は「数列とパターン」。なので空き時間に1章ごと楽しむのがおススメ

数式の展開式も非常に見やすい。iPadで見ると、拡大機能を使わずとも十分に数式を確かめることができる