俺様の医者が、小学校の保健室に勤務したら…?

2014/5/18

放課後カルテ(1)

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : 講談社
ジャンル:コミック 購入元:BookLive!
著者名:日生マユ 価格:432円

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 この『放課後カルテ』という作品、掲載誌が『BE・LOVE』という講談社の女性向けの雑誌なのです。少年マンガが比較的読者を選ばないのに対して、女性向け作品というのは男性読者を寄せ付けない何かがあると思っているのですが、少なくともこの作品に関しては性別が理由で楽しめないということはないと思います。くせのない整った絵柄とか、いろいろ理由はあるのですが、何より物語としての完成度が高いのです。

 話は小学校の保健室に、養護教諭の代わりに医者である牧野先生がやってくるところから始まります。牧野先生が男性であること、態度がやたらでかいこと、等々の理由で生徒も教員も構えているのですが、牧野先生は次々と子どもたちの病気を発見して救っていきます。この構造には、NHKの『ドクターG』で最後に先生が種明かしをする場面に通じる快感があり、引き込まれます。おそらく、牧野先生と対峙しつつも協力する熱血教員の篠谷先生の方に視点を持っていって、牧野先生の俺様ぶりを楽しむという読み方もできるのでしょうが、この作品はもっと一般的な感覚で楽しめるはずです。さすが、『ちはやふる』を送り出した雑誌です。

 また、巻が進むと継続性のあるエピソードも入ってくるのですが、牧野先生と篠谷先生のふたりの関係であるとか、そういう狭いところに入り込まないで、生徒とその家族の関係などを広く上手に描いているのも、読者を選ばないポイントかなと思います。

 ジャンルとしては医療マンガということになるのでしょうが、先端医療でどうのこうのという話ではないです。弱者の声を敏感に察知する、ぶっきらぼうな先生の奮戦記ですね。テクニカルなところより、患者である子どもの心理描写に力を注いでいるあたりは女性誌らしさがでています。


朝礼で挨拶するも、不審者扱いされる牧野先生

篠谷先生の態度も、最初はこんな感じです

牧野先生は生徒を過剰に子ども扱いしない

しかし見るべきところはしっかり見て、病気に苦しむ子どもを救ってくれる