はなたれ小僧、リスペクト! 100年前の子供たちの遊びを集めた本

更新日:2011/9/21

日本児童遊戯集

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : 平凡社
ジャンル:教養・人文・歴史 購入元:eBookJapan
著者名:瀬田貞二 価格:1,470円

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電子書籍って、古書店をのぞくような楽しみもあるんだなあ、と最近気づいた。もちろん新刊を気軽に読むのも楽しいんだけど、復刊本やレア本がけっこうあるのだよね。
  
昔の本って、部数が少なくても発行してたからかな、今だとなかなか発刊しないようなマニアックな内容の本がいろいろあっておもしろい。

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気のむくままに一冊二冊立ち読みする。
  
昔っぽい挿絵にほのぼのしたり、きれいな言葉を見つけてうっとりしたり。料理なんかの実用書だったら、クラシックなレシピが並ぶ食卓を想像してみたり、ね。
  
私のお気に入りはアジアのクラシックな名著を復刻した東洋文庫シリーズ。昔の旅の記録とか、遠い国の風物詩の話とか、ふだんはなかなかお目にかかれない言葉の森に分け入ることができる。
  
これは明治時代に編まれた、全国の子供の遊び方を集めた本。遊びの道具は道端の雑草や石、あるいは身体ひとつ。シンプル! でも、ルールがけっこう細かくて、これけっこうはまるだろうなと思うものもある。「子供は遊びが仕事」って言うけれど、そうかもね。見事な充実ぶりだもの。
  
ものがなくても、おもしろがる気持ちがあれば世界はこんなに楽しくなるんだなあ。そして私たちはきっと、こんなおもしろがりでタフな子供たちの子孫なのだね。

立ち読み機能って嬉しい。内容を気軽に確認できるし、ちょっと気になった本をぱらぱらとめくってみる楽しみもある。上手に活用したい

目次。扱われている土地は、東京、京都、大阪のほか、伊勢、尾張、駿河、甲斐、伊豆、下総、近江、美濃、信濃、陸奥、山城、河内、摂津、加賀、北海道、丹波、出雲、美作、紀伊、土佐、肥前、薩摩‥‥などなど広範囲

遊びの名前を目次でチェックするだけでも、時代を感じて興味深い。押しくらまんじゅうじゃなくて、押しくらまんぞなのね。それに、おでん屋遊びって‥‥?

ほとんどが知らない遊びで、しかも驚くほどバリエーションがある。これは釣り狐という遊び。挿絵の子供、楽しそう!

なかには影絵遊びやかごめかごめなど、うっすらと記憶にある遊びもある。ということは私たち、100年以上昔からこの遊びをしているんだなあ。それも感動!
シンプルな遊びが多いけれど、それぞれにかなりのスリルがある。これは地域性のある遊び。雪滑りって、こんなに大勢連なって滑るのね (C)大田才次郎/平凡社