年間来場者数1700万人を超える「ディズニーワールド」はやっぱり神業だった!

更新日:2014/5/23

ディズニー7つの法則 ― 奇跡の成功を生み出した「感動」の企業理念 (新装版)

ハード : Windows/Mac/iPhone/iPad/Android/Reader 発売元 : 日経BP社
ジャンル:ビジネス・社会・経済 購入元:紀伊國屋書店Kinoppy
著者名:トマス・K.コネラン 価格:1,512円

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 ディズニーランドの「おもてなし」のポジティブさは来場者に強烈な印象を与えます。実際、キャラクターやアトラクションと同じぐらい、スタッフの気持ちよさ、行き届いたフォーメーション、隙のないサービスとプラスαの特別感を、あれだけの万人に与えてくれる場所もないのでは。そんなディズニーランドの本場アメリカはオーランドのディズニーワールド来場者数は、年間1700万人を超えるとか。それほどに愛され、信仰にも近い熱狂を与えるサービスとは何なのか。そんなディズニーのディズニーたるエッセンスを紹介したのが『ディズニー7つの法則 新装版』。

 本書は、解説本ではありません。著者は顧客満足に関する専門家で大学の教鞭にもたつ人物。彼が観察した企業理念をわかりやすく小説風に仕立てた内容です。全米から様々な業種で活躍する人物5人が、ディズニーワールドの研修にきて一緒に回ってゆくうちに、ディズニーの「どこがほかと違うのか」を発見してゆく、という仕立て。会話文も多く、訳も上手。リズムのいい展開です。

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 オーランドのディズニーが舞台ですが、それはそのまま東京のディズニーにも当てはまること。開園以来、何度も行ったことがありますが、こうして企業として見るディズニーもまた一興。社員全員が清掃員であるというコンセプトや、顧客が比べるすべての企業を競争相手とみる姿勢、メリーゴーランドに金箔を使うディティールの凝りは一体どういう効果を上げるのか、「褒めてもらう」社員教育などなど。チームとしてそれをどれだけ浸透させるかというのも簡単に読めてしまいますが、世界に何万人もいる従業員に徹底させるのは、まさにディズニーマジック。エンターテイメントの神髄をみるような気持ちです。小説の主人公たちのように、こうした業種とはまるで関係ないジャンルでも、何かと学ぶことがあるはず。ビジネス書としても、読み物としても秀逸です。


ディズニーで働くと、たとえ転職しても戻って来てしまう

スタッフが「また来てくださったんですね」と声をかけることの奥の深さ

ディズニーランドのディティールにはまるともうそれは大変らしい