『鋼の錬金術師』と『銀河英雄伝説』の超大物タッグがおくる激動の英雄譚!

更新日:2014/5/26

アルスラーン戦記(1)

ハード : PC/Android 発売元 : 講談社
ジャンル:コミック 購入元:BOOK☆WALKER
著者名:田中芳樹 価格:420円

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 天才×天才の超大物タッグの作品の第1巻が遂に発売です。『鋼の錬金術師』の荒川先生が、『銀河英雄伝説』『創竜伝』で有名な田中先生のペルシア風歴史ファンタジー『アルスラーン戦記』をコミカライズ! この御二方が組んで話が面白くならないわけがありません。ハガレンの新刊を読破しては「次巻の発売はいつ? 4ヵ月後!? ひどい焦らしだ!」と嘆きながらカレンダーに発売予定日に印をつけたり、銀英伝から自分のお気に入りの文章を書き抜いた「銀英伝名言ノート」を作ってしまったりするほどの、魅力の詰まった作品を世に出す方々ですから(笑)

 アルスラーンは大国パルスの王太子。彼は心優しい人でしたが、国を率いる者としての周囲からの評価は「頼りない」「気弱」とイマイチ。そんな彼が14歳になった頃、ルシタニアがパルス王国に侵入。アルスラーンの初陣でした。8万5千の騎兵に13万8千の歩兵と良将を率いる不敗のパルス軍に負ける要素なし。濃霧でまともに前も見えないのは相手も同じ、突撃で全てを踏み潰さんとパルスの騎兵は駆け出すも、待ち構えていたのは敵の罠。父に認められたい一心で最前線に布陣していたアルスラーンは、辛くも罠から逃れます。味方の将軍が自分を探す声にホッとして助けを求めると、なんと彼の背には敵国であるはずのルシタニア兵が大勢控えており――!?

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 彼が四面楚歌からどう助かったのかは、ぜひとも本編をどうぞ。人間、国家、謀略、知略、思想。頭に残る田中節が、荒川先生の絵柄でさらに生き生きとしています。また巻末にある田中先生と荒川先生の対談ページが載っており、その内容には「スランプへの対処法」「作品のインスピレーションを得る時はこんな時」「キャラクターやストーリーのつくり方」というものも含まれていました。戦記ものが好きな方はもちろん、創作に興味のある方も絶対に読んで損はなし! 荒川流『アルスラーン戦記』がどんな終幕を迎えるのか、一度読んでしまえば最終回まで目が離せないこと間違いなしです。


少年の頃のアルスラーンが出会ったルシタニアの“少年兵”は人間の平等を説き奴隷制度を非難。しかし「人類は皆平等だ!」のあとに続く「よって我らが神の教えに従わぬ貴様ら異教徒は差別し殺してもいい!!」によって大体台無しに

戦場に濃く立ち込める霧。鷹の羽根の湿りからそれを察していたアルスラーンの勘の良さがそれとなく示されます

窮地に見つけた味方! と思ってほっとしたのも束の間、濃霧の奥から出てきた味方将軍の脇には無数のルシタニア兵が……