AppleとGoogleは盟友? ライバル? スマートフォン時代到来前に読むべき1冊

更新日:2011/9/12

アップルvs.グーグル

ハード : iPhone 発売元 : SB Creative Corp.
ジャンル: 購入元:AppStore
著者名: 価格:700円

※最新の価格はストアでご確認ください。

AppleとGoogle。
  
いわゆるガジェット好きとされる人たちは、この2社の企業名もしくは企業ロゴを目にしただけで、少なからずのワクドキ感を抱くのではないだろうか。恥ずかしながら自分もその一人。この電子書籍のタイトルを見ただけで、自分の人差し指は自然とiPhoneのダウンロードボタンをクリックしていました。

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この10年の間に世の中に出た製品・コンテンツの中で、自分や同じ嗜好の人たちの心を踊らせたものを振り返ってみると、「Google Earth」に「ストリートビュー」、「iPod」に「iPhone」、そして今年の「iPad」と、思い出すのはこの2社の製品・コンテンツばかり。仮に、未来を感じさせてくれることを00年代のテーマとするならば、この2社が圧倒的に世界をリードしていたわけだ。
  
本書は、そんなAppleとGoogle両社の企業としての特性の違いを、ここ数年の歩みを記しながら表したもの。00年代中盤までは、打倒Microsoftに向けて共同戦線を張っていた両社が、主戦場がPCからスマートフォンやクラウドコンピューティングに移行するに従い、ポリシーの違いが鮮明になり、徐々に対立構造を描くようになってくる…といった内容が紹介されている。
  
両社が躍進する過程を読み進めるのは本当に気持ちがいい。しかし、今後懸念されている対立を考えると、あまり楽しんでいる気持ちにはなれない。なぜなら、今ならiPhoneでyoutubeやGmailを利用できるが、今後はそれぞれの端末でしか使用できなくなるかもしれないから。お願いだから、僕たちユーザーが不自由を感じてしまうような方向には進まないでほしいものです。
  
「争いは未来を亡くす」。本書を読んで、こんな大それた言葉まで思い浮かんでしまいました。iPhoneが好き、スマートフォンが好き、そんな人にはぜひ読んでほしい一冊。
  
それにしても、日本の企業は何をやっているんだろうか。「技術大国」のキャッチフレーズが泣いてるよ。

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本書をスムーズに読み進めるには多少のITリテラシーが必要。「ジョブズ」、「シュミット」、「クラウド」程度がわかれば十分ですが