会社の「膨張」と「成長」の違いはどこに? 売上2億円クラスの経営幹部必読の『紙上コンサル』

更新日:2011/10/21

売上2億円の会社を10億円にする方法

ハード : iPad 発売元 : DIAMOND
ジャンル: 購入元:AppStore
著者名: 価格:700円

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ふとけんのリクルート時代の同期には、独立して社長をやっている仲間がいます。宣伝でも何でもないのですが、チェンジマネジメントシステム(CMS社)の松下智明氏もその一人です。CMS社のHPを見ると、デカデカと「社長退場コンサルティング始動。」と謳っています。

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本書のレビューに当たり、たまたま松下氏の著書「会社のカベ 3億、10億、30億越えの戦略」が脳裏に浮かんできました。その意味では、世間の様々なコンサルタントが指摘する「3億円が一つの壁である」ということは、相当な確率で真実といえるかもしれません。そしてその壁を理念と仕組みで超えていきましょう、という解決の方向性も近いといえるでしょう。
  
ふとけんとしては、経営の一翼を担う幹部の皆さんが解決策を模索するときに、しっくり来る拠り所となる本に出会えているかどうか、は非常に重要だと考えます。これはつまり相性のいいコンサルタントに出会えているかどうか、と相通じるものがあるといえます。
  
その観点から読んだ時に、本書は「設計図発想」「ビジネスモデル発想」という背骨があり、実務に強いコンサルタントの視点やわかりやすい例えが豊富に盛り込まれています。そしてアタマでわかっている「会社の成長に伴って、トップである社長の仕事は何回か大きく変わって」いかなければならないことを、腹落ちさせたい経営者や幹部の方には、ぜひ一読いただきたい書籍です。

船井総合研究所の常務執行役員によって執筆された本書は、大きくマーケティング系領域と採用・マネジメント領域の内容で構成されています。著者の名前から「イソズミ・マジック」と呼ばれているメソッドが記載されているそうです

リーダーのメニューがこれ。本書は書籍として「目次」のページはないので、読みたい箇所に到達するには、メニュー機能の活用が欠かせないのです!

目次の項目数は22。丸々2ページ分あります。しかし「○○図」という名称でわかりやすくネーミングされているところには、コンサルタントとして本書を通じて「紙上コンサルティング」を実現するための工夫を感じます

リーダーは電子書籍のスタイルや出版社によって違いますが、ダイヤモンド社のDReaderの基本的な使い方は、極めてシンプルです

タイトルでは「売上2億円の会社を10億円にする方法」となっていますが、成長するための売上の壁は「3億円」。ここで大きくアプローチを変える必要がある、とのこと。経験豊富なコンサルタントの、説得力のある言葉です

著者はコストを掛けるべき経営者の最重要業務として、採用にコストも時間も投入することを求めています! 採用はマーケティング発想で! ホームページの充実が秘訣! このあたりは大企業ではかなり実現されていて当たり前に聞こえますが、売上3億円が成長の壁という中堅企業にとっては、実際には業務負荷が重く、なかなか進まないところ。実務に強いコンサルタントの着眼を感じます