恋と革命、悲劇と伝説。少女マンガの極致は『ベルばら』よりも『オル窓』にあり!

更新日:2012/4/3

オルフェウスの窓 (1)

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : 池田理代子プロダクション
ジャンル:コミック 購入元:eBookJapan
著者名:池田理代子 価格:315円

※最新の価格はストアでご確認ください。

池田理代子といえば『ベルサイユのばら』。 日本で漫画を読む人間なら誰しもが知る組み合わせですが、あえて言います。

池田理代子といえば断然『オルフェウスの窓』でしょう!

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マンガ好きを自認する人は、池田作品の中で他の何を差し置いてもこれだけは読まなければなりません。

「昔読んだよ」という人は大人になった今もう一度読み返してください。「オレ、『ベルばら』ダメだったわ」という男性は騙されたと思って1巻だけ手に取ってください。

『ベルばら』の完成度を遙かに凌ぐ、70年代少女マンガのひとつの到達点。それが『オルフェウスの窓』です。

その塔の窓に立って地上を見下ろしたとき、一番はじめに見た女性と宿命的な恋に落ちる。だがその恋は必ず悲劇に終わる――。

そんな伝説が残るドイツの音楽学校。転入生のイザークがその塔から最初に見たのは、美しい金髪をなびかせた同級生のユリウスでした。また別の日、上級生のクラウスも同じ窓から最初にユリウスを見つけます。その後、彼らはユリウスが女であることに気づき、彼女に惹かれていきますが…。

と、イントロだけ聞くと“男装のヒロインを巡る三角関係@音楽学校”な感じですが、これはほんの序章。やがて物語はドイツから音楽の都ウィーン、そして革命勃発前のロシアにまで広がっていきます。 ユリウスが鍵を握る名家の財産争い、幾度もすれ違うクラウスとの恋、天才ピアニストとなったイザークの苦悩、革命に命を賭ける男と女の決意…。

ドラマチックという言葉では到底足りない、最近の少女マンガではめったにお目にかかれない壮大なスケールは『ベルばら』以上。 ユリウス、イザーク、クラウスの3人の運命は、果たしてどこにたどりつくのか? そしてオルフェウスの窓で生まれた恋の結末は、やはり悲劇なのか?

年末年始、たっぷり時間をかけてこの“完璧な少女マンガ”の世界に酔いしれてください。

主人公ユリウス。素顔は美少女だがワケあって男と偽って男子校に編入

iPhoneの画面上で最大限までズームすれば、瞳のキラキラもこんなにアップに!

少女マンガ史上、最もバラが似合うのは池田理代子作品のヒロインと断言します!

これが物語の主軸となるオルフェウスの窓伝説。日本にもこんな窓ないのかしら…

苦学生イザーク。ピアノの鍵盤にハンマーを仕込んで特訓する熱血ボーイです

ユリウスが片思いする上級生クラーク。「ちょっと乱暴、実は優しい、ミステリアス」と三拍子そろったいい男です

ebookの設定画面。iPhoneはもちろん、保管場所を移動すればPC画面でも読むことができます

大長編なので休み休み読んでいきましょう。途中でストップするときは「しをり」をつけておけばOK (C)池田理代子プロダクション