髪型を変えると性格まで変わる!? スゴい髪型になっちゃった人たちの変貌ぶりを描く連作短編集! 

小説・エッセイ

更新日:2012/2/3

わらの人

ハード : PC/iPhone/iPad 発売元 : 文藝春秋
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:電子文庫パブリ
著者名:山本甲士 価格:472円

※最新の価格はストアでご確認ください。

ルミネの広告コピーに「運勢は、生まれた日より 選んだ服で 変わると思う。」というのがある。

尾形真理子さんという方が手がけてらっしゃるのだけど、私はこのコピーが大好き。そいで、今回ご紹介する『わらの人』は、ざっくりいえば、このコピーの“服”を“髪型”に置き換えた内容の連作短編集でありまして…。

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いずれも、初めて入った理容店の女主人に、スゴい髪型にされてしまったことをきっかけに、心のわだかまりや不安がふっきれ、性格までがらりと変わってしまう6人のひとびとの事の顛末を描いたお話なんだけど──

特に、どんなに酷い扱いをうけても何も言い返せないような人物が一転、たくましく変貌を遂げ、最後に上司をギャフンと言わせたりするのってホント気分いい!
  
中には「さすがにちょっとソレ、イキすぎちゃってない?」とか「やりすぎなんじゃない?」って言いたくなる登場人物もいるんだけど、それがむしろリアルというか「人間って案外こういう極端なとこあるかもね」って思わされたり。

そんな中で私がいちばん好きだったのは「道の巻」。セルフうどん店を営む父をもつ就職浪人の真水。父の店を継ぐ気は全くなく、先輩たちのつてをたどり数社の面接を受けるが…というお話なんだけど、これは沁みましたねー。爽快感てことでいうと会社研修で山登りさせられる「犬の巻」かな。こちらはですね、映画『ランボー 最後の戦場』を観たひとにぜひ読んでみてほしいです(笑)。

本文のデフォルト画面。個人的にはこの.book形式がお気に入り。平易な文章ということもあって、iPhoneでもひじょうに読みやすい。女性理容師が、新規の客に毎回おんなじ話をするのが、読んでいるうちに徐々にツボに

本作は、2008年に『髪がかり』というタイトルで映画化もされている。理容師役は、夏木マリさん(ちなみに小説では、おそらく30歳前半くらいの設定)

全6話を収録。私は美容室にいくときいつも文庫本を持参するのですが、今度からiPhoneだけでこと足りるじゃん!って、この本読んでて気づきました(ってお話の内容とは関係ありませんが(笑))

画面を下にむけてひっぱるとツールバーが表示される(.book形式共通)。このツールバーを右にドラッグすると検索窓が、左であれば文字サイズの調整や縦組/横組、背景の選択が可能

試し読み版でも、文字調整や背景選択が体験できる(こちらはXMDF形式)