マンガ家とはげに業の深き職業なるかな(多分個人差があります)
公開日:2014/6/23
マンガ家が主人公、というマンガ家マンガは数多く存在すれど、もしかしたらまんが家志望者が一番読んではいけないマンガがこれかもしれない。なにしろ、夢も希望もなさすぎる。
憧れのマンガ雑誌に連載が決まったその時に、同時に自身の妊娠が判明して、うまくいかない現実に病んでいく女性マンガ家。大学の漫画研究会の中で、ひとりだけマンガ家になる夢をかなえてしまったがために飲み会で針のむしろ状態を味わう新人マンガ家。「ヘムサラバくん」というコンビでマンガ家になったはいいものの、片方があまりにも多すぎる担当のダメ出しに心が折れ、遊びほうけるようになってしまった解散危機のコンビマンガ家…
あまりにもそこには救いがなく、「憧れの職業」としてのマンガ家のカオなど、ひとかけらも残っていやしない。作者が目の前にいたならば、「えっコレってフィクションですよね? フィクションですよね?」と半笑いで確認してみたくなってしまうほどに、このマンガに出てくるマンガ家たちは、こてんぱんにされている。口さがない編集者に、日常生活という重石に、批評者という名の無理解な人々に、読者という名の裏切り者に。
しかし、このマンガはギャグマンガだ。そしてフィクションだ、おそらくほとんどの話は。とりあえずマンガ家でも編集者でもないわたしたちは、たぶんそのフィクションを「うおーまんが家の世界怖ぇー」とげらげら笑いながら読んでいればいいのだろう。これはギャグマンガなのだから。この話のどこまでが現実に存在している話の一部で、どこまでが作者の妄想の産物なのか。そこを議論するのはあまりにナンセンスだ。これはギャグマンガなのだから。
…それにしても、「あれーこのマンガって、確か前は…」と思っていたらばこういう事情があったのか。なるほどなるほど。(詳しくはお買い求めの上ご自分の目でお確かめください)
1ページめではこんなに希望に満ち満ちていたのに…
あっという間にここまで病んでしまい…
最終的にはこんなことに…
こんな針のむしろな飲み会はいやだ